「新米ライターにオススメしたい本」Vol.3 ──良文に必要な要素って?
こんにちは、myProductライターの河合です。
これまで「新米ライターにオススメしたい本」をnote上で2冊ご紹介させていただきました。
今回は第3弾目として、言葉の生かし方を考えさせてくれる本を取り上げてみようと思います!
『何度も読みたい広告コピー』(パイ インターナショナル)
この本はいわゆる文章のハウツー本ではありません。
名作広告コピー、それも“ボディコピー”に特化して紹介している1冊です。
ちまたにある広告を見ると、“キャッチコピー”と一緒に少し長めの文章が載っているものがあるかと思いますが、その少し長めの文章が“ボディコピー”です。
よく耳にする“キャッチコピー”は広告の見出しなどに用いられ、消費者の関心を惹く、比較的短い言葉のことを指します。一方の“ボディコピー”は、“キャッチコピー”で興味を持った方たちに対して、その商品の価値や役割を伝える言葉となります。
“ボディコピー”にもさまざまな種類がありますが、『何度も読みたい広告コピー』では「顧客目線型」「企業・商品メッセージ型」「第三者メッセージ型」「物語型」の4つに分類して紹介しています。
“キャッチコピー”にも同様のことが言えますが、優れた“ボディコピー”に使われている言葉や表現は至ってシンプルな場合が多いです。普段使っている何気ない言葉たちが組み合わさることによって、読む人を惹きつける名コピーが生まれます。
皆さまは、良い文章を書こうと力が入るあまり、伝わりにくい比喩表現を差し込んでしまったり、難しい言葉をあえて使ってしまうことはないでしょうか? 自戒を込めて言えば、自分はたまにやってしまいます。
本書で紹介されているような名作コピーに触れると、「それは逃げだな」と痛感します。
伝えたい情報を、分かりやすく確実に伝えることが文章を書く目的だとすれば、凝った表現や難しい言葉を使う必然性はありません。馴染みのある言葉や表現を、効果的に、そして端的に届けることに注力すべきです。ライター独自の世界観は大切ですが、独りよがりはNG。言葉はあくまで手段であるということを忘れてはいけません。
優れた広告コピーたちはそんなことを教えてくれる気がします。
などなど、堅苦しいことを書いてしまいましたが、本書はそのタイトルにある通り、本当に何度も読み返したくなる広告コピーが多数掲載されていますし、シンプルに読み物として面白いです!
表現力に磨きを掛けたかったり、言葉の使い方を学びたいライターの方は、こういった名作コピー集に触れてみるのも一考かと思います。