2分で読める子育てエッセイ№967『ランドセル・再び？』

ある日、学校から帰った中1の娘が信じられないという表情でワタクシにこう訴えた。
「お母さん、これ！　取れちゃった！」

それは通学用の娘のリュック。見ると片方の肩紐の下側がスポッと抜けていた。
「え？　まだ1年も使ってないよね？」

すると娘が本当にすまなそうにこう言った。
「ただ車の後部座席からカバンを取ろうと思っただけなの。その時に・・・」

そこにニヤリと笑いながらやって来たのは、娘を車で送迎しているダンナ。
「お母さん、お姉ちゃんのリュックに教科書がパンパンに詰め込まれるの知ってる？　毎日毎日、ぶん回したら、そりゃリュックの肩紐だって抜けるよね」

ぶん回す？　

これは想定外の言葉だと娘に訊くと、娘がカバンを車から降ろす様子を実演して見せた。

「ほら、こうやって利き手の方の肩にリュックの紐をかけるでしょ？　それをエイって、後部座席から取るだけなんだけど」

うそ～ん。ワタクシの目には、鮮やな一本背負いに見えますけど～！
それを毎日毎日、最低1日2回。登校時と帰宅時、その他リュックを動かすたび、これを見事に決めているんですか？

「ま・参った・・・」
そんなセリフがリュックから聞こえてきた気がした。

※

ワタクシの手には、もはや修理不可のリュック。急遽新しいものを買いに行きできるだけ丈夫そうなものを選んだ。

ところが、無意識に「丈夫そうな物」とつぶやいていたらしく、何も知らない店員さんに笑顔でしっかりハッキリとこう言われる。
「こちらのカバンでしたら、3年間は使えますよ～」

だといいですけど・・・。来年もここに来る、きっと来る。
内心、そう思いながら支払いを済ませた。

そこでワタクシ、ハッとした。
小学生御用達のランドセル、特に男子からは、母の想像を上回る手荒い扱いを受けているはず。なのに「ランドセルの肩紐ちぎれちゃった～」なんて聞いたことがない。少なくともワタクシは。結構なお値段のうえに超丈夫。これをたったの6年間しか使わないなんてモッタイナすぎる。
海外では大人もランドセルをオシャレに使いこなしているらしいよ？　知らんけど。

お姉ちゃんもそうする？
丈夫だよ？
まだ、あるよ？
うけけ。