№11【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『いい感じの年齢』

あるファミレスで60歳以上が使えるクーポン券を配っていた。

「母、今年61歳なんです~。クーポン下さ~い」
どうせ証明書を見せれば分かるので、10歳どころではない大胆なサバのよみ方で自己申告。

「はい」
とニッコリスマイルゼロ円で、すぐにクーポンをくれた。

お陰でその場で5パーセント引き。ひゃっほ~。

母には悪いけど、身分証明を使わない程度に歳が分かると便利、と思った。
悲しいかな、ワタクシもお酒を買うときに、提示要請などされたことないけど。




さらに、近所のスーパーで。
すっかり身長もワタクシと同じくらいになった小6の娘。一緒に買い物に行ったら、レジのお姉さんにこう聞かれた。

「あの~、お嬢さんは、小学生さんですか?」

え? 娘は、もう小学生には見えないくらいのお姉さんの雰囲気になったのかと驚いていたら、さらにこう言われた。

「千円以上お買い上げの小学生さんは、おまけでガチャ引けます」


オマケありきで聞かれた質問。
この場合の女性への年齢確認は悪くな~い、むしろサンキューと思った。




ところが、とある地方の遊園地に行った時のこと。

遊園地、久しぶりだな~と嬉しくなって、ワタクシ、キョロキョロしながらあちらこちらにフラフラしていたら迷子になっていた。

するとちょっと離れたところから、遊園地のスタッフの方が、メッチャニコやかにこちらに向かって手をフリフリ。振り返っても、ワタクシしかいない。

「なんだろうな~」

遊園地アルアルかと思いながら、スタッフの方に手を振り返しながら、ワタクシ、ハッとした。

自称、永遠の30歳のワタクシ。

「もしかして、落ち着きのない子供と間違われている?」

スタッフの人にバレて、お互い妙~な空気になる前に、さっさとその場を立ち去った。






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