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№06【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『久しぶりにダンナと小遣いバトル』
今年の1月にダンナの誕生日プレゼントとして買った、炭酸メーカー。
値段を見ると、まあまあする。いや高級品。
「お小遣いで買ってね」
と出来る限りスルーしていたのに。
ダンナの言い分としては、
お店で買う手間が省ける。
在庫管理も要らないし、場所も塞がず、割安になる。
自分好みに炭酸の強弱をつけられるから、気分次第。
そして、ジュースやワイン、コーヒー、紅茶なども炭酸に出来る高い方のメーカーにしたい、という謎のこだわりまで。
よくまあ、理由をかき集めてきたね、と感心した。
ところが3か月経ったころ、やたらとワタクシに「炭酸洗顔」をおススメするようになってきた。
「白髪にも、いいって言うよね~」
ううっ。試してみたくなるその一言。
さすが元営業マン、いいところをついてくる。
ちょっぴり聞く耳をもつと
「炭酸水作っておいたから、明日試してみて~」
と、置いてある場所まで、ご丁寧に説明していった。
え~。明日?
もう、いやな予感しかしない。
でも、せっかくなので試してみると、水道水で作った炭酸水は、飲んだ時ののどごしと同じく、肌の表面でシュワシュワはじけ、そのシュワシュワの感触がしばらく続く。
「うわ~思った以上にさっぱりする」
もったいないので、洗面器にためたシュワシュワが消えるまで15回ほどパシャパシャして楽しんだ。
その後、1時間たっても、ほんのり顔がポカポカしたまま。ただのお水とはちょっと違う気がする。
「髪にも使ってみようかな」
と思うまでになった。
でも、ワタクシ知ってる。
これダンナがおススメし始めたのは、そろそろアレを言い出すころ。
それは、きっと連休前。
そう思っていた時に、事態は急変した。
「炭酸メーカーのボンベ、そろそろ無くなりそうなんだよね~」
出た~!
やっぱり「家計から出してほしい」を言い出すためのトラップだった~!
いや、ここで慌ててはならない。
こんなこともあろうかと、ワタクシもプレゼントする前に予防線を張っている。
「安いって聞いてたけど? まさか本当はメッチャ高いです、なんてこと・・・ないよね?」
言葉を探しているダンナ。
「今、1か月に1000円くらいだと思うけど・・・」
とダンナが言葉を濁すので、すかさず、こう返した。
「よかった~。お小遣いで余裕だね! ワタクシもきれいになるし。ありがとう!」
※※※
「ダンナのおススメにはトラップあり」
今後も変わらぬ心得として忘れずにいこう、と思った。
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