
2分で読める子育てエッセイ【子供達が学校に行っているマニマニ】№88『落ち着いて計算してみようか?』
今年の春、わが家に空前の「なんちゃって観葉植物ブーム」がやってきた。

ある日、買ってきたパイナップルの葉っぱだけを水入りのコップに入れて
「ほ~ら、なんちゃって観葉植物の出来上がり!」
とダンナに見せたら、メッチャ面白がり始めた。
すると、どんどん、どんどんパイナップルを買うはめになり、その時点で軽く後悔するワタクシ。この春10個は食べた。
さらに季節が変わり、たくさんのパイナップル観葉植物をプランターに植えてご満悦のダンナがいた。
本格的に育てる気だ・・・。
嫌な予感しかしない。
ある日、寒くなり始めたタイミングで家庭用のビニール温室を買ってきて2階のベランダに設置した。
「わが家の小鳥、キンカチョウのひなたぼっこにも使えるから一石二鳥だね」
などと、耳障りのいい言葉をたくみに使うダンナ。
氷点下になるとパイナップルがダメになってしまうらしいので、温室に入れておけばもう大丈夫だと思っていた。
ところがすぐに問題点がでてきた。
「今日、メッチャ暑くない?」
冬なのに比較的暖かい日のことだった。
締めきった温室内は真夏を思わせる35度。
肝心のパイナップルは脱水状態でぐったり。
慌てて換気し、ハウス内の温度を下げた。
ふう、小鳥を入れていなくてよかった。
さらにその日の夜、こんどはメッチャ冷え込んできて温室内はなんと3度。凍える寸前のパイナップルを救うため、ダンナが慌てて湯たんぽやランタンを使い温度を上げる。
それからというもの毎朝毎晩、最低気温と温度計の確認は欠かせない。
暖房をしたり、換気したり、行ったり来たりダンナは一日中大騒動。
温室管理をなめてた。思ってたのと違ーう!
さらに、気になった諸費用。
パイナップルが実をつけるまで一体どのくらいの費用が掛かるのか、落ち着いて計算してみようか?
プランターは再利用だったけど、土とか購入したよね?
あれ1000円くらいだったかな。
えっ?
この温室が約5000円。
ええっ?
そうそう、暖房代。
4日で1000円、このあと本格的に冷え込むからドンドン燃料が必要だよね。
うそーん!
ざっくり計算してみても、今の時点で7000円。
大昔、母が試したときにはパイナップルの実がつくまでに3年かかった、と言っていたよね?
3年・・・。
ちょっといいパイナップル買って食べた方がよくない? 確実に甘いし食べられるよ?
この地域では、野良パイナップルはもちろん、素人が育てるには難しいとやっと気がついた。

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