2分で読める子育てエッセイ№607『タイミングをメッチャ間違えた』
小2の息子がふろ上がり、ポカポカに温まったせいか眠くなったようだった。すぐに寝ればいいのになぜかこんなことを言い出す息子。
「お母さん、眠たいのに寝られない時ってあるよね~」
おおっ、成長してる。
でも、息子のイチの場合、ゲームばっかりしているからじゃない?
と内心ツッコみつつ
「疲れすぎたときに寝られない時ってあるよね~?」
と返事するにとどめた。
とにかく眠たくなったときが大チャンス。
今だ!今しかない。
最近、夜更かしが過ぎるから、急いで布団に入れ~。
ところが
「お母さんも、そんな時あるの? 他にもある?」
と息子が話をつづけたので、ワタクシ、別のあることが頭によぎり、ニヤリとしてしまった。
それこそ言うなら、
今だ! 今しかない!
「お母さんね~、最近、お布団でぬくぬく寝ていたら、あともう少しで寝れます~のタイミングで必ず迷惑なヤツがどかどかやってきて『あ~!お母さんの布団、メッチャあたったか~』ってちっちゃい冷たい足ツッコんでくるんだよね。お陰でお母さん、眠たいのに寝られなくてさ~」
すると、自分の事を言われたと気がついた、息子。
クスクス笑い始めた。
「ひどくな~い? そのうえ、いい感じにあたたまった掛布団巻き取っていくんだよ~」
我慢できず、大笑いし始めた息子。
「あ~、面とむかって悪口言ってスッキリした! ね、イチ君」
その言葉に息子が腰砕けになった。
よかった、伝わった!大成功と、思ったら息子にこう言い返された。
「もう!お母さんが笑わせるから、目が覚めちゃった!」
あ。
タイミングをメッチャ間違えた。
その後1時間後、ワタクシ布団でぬくぬくしながら動画をみていたら、いつもどおり冷たくキンキンに冷えた小さな足がやってきた。
なーんも伝わってもいなかった。
今だ、今しかない、
は、全然、今ではなかった。
ダブルで台無し。