生後2年間の自閉症児の運動特性と行動の関係
本日参考にした論文はこちら↓
雑誌:Journal of Neurodevelopmental Disorders
IF: 4.074(2023-2024時点)
※内容には個人の解釈が含まれます。ご理解の上、ご覧ください。
運動と行動について
自閉症の出現に関連する症状の時期とパターンは、自閉症を理解したり早期発見をするための手掛かりとなる可能性がある。
自閉症の兄弟においては高リスクで自閉症を発症する可能性があり、診断前の早期発達を評価することが重要です。
これまでの先行研究では、生後12ヶ月後でないと自閉症に特徴的な社会的コミュニケーション障害や反復行動などの特徴は明らかにされていなかったが、
近年の研究でもっと早い時期(生後1年間)に特徴として現れる可能性があることが分かりつつある。
生後6ヶ月時点の首すわりの遅れは、のちに自閉症と診断される高リスク児の特徴の1つかもしれない。
また、6ヶ月時点の巧緻運動(手先の課題)や社会的コミュニケーションの遅れも高リスクとして懸念されている。
更に、社会的場面における目や顔への指向性の低下も初期の1年間で確認されるとしている。
本論文では、主に高リスク児と低リスク児で発達特性がどのように異なるか、生後2年間の間(6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月)を評価している。
その結果、
6〜24ヶ月のそれぞれで高リスク児と低リスク児に差があることがわかった。
特徴は以下の通り。
まとめ
上記の研究結果から、
生後6〜7ヶ月時点で、
・首の座りが遅れていないか?
・運動機能の遅れがないか
・視覚受容(サッカード反応時間)に遅れがないか?
などの運動発達の観点を評価すること。
また、これらの遅れが、いわゆる
・共同注意の出現の阻害
・指差しなどのジェスチャーの発達の遅れに関与
している可能性も考えられる。
更に解釈すると、共同注意やジェスチャーは”言語発達”に関与していることから、
発達の遅れが観察される幼児(発達が遅れている)においては、
運動発達の促進を促していくことは重要な観点であると思われる。
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