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歴史・人物伝~謙信の戦い編・序章:孤高の名将・上杉謙信と「義」について
群雄割拠した戦国時代にあって、領土欲にとらわれず、義や権威を重んじながら戦いを続けてきた武将がいます。生涯、妻帯しなかったことでも知られている孤高の名将・上杉謙信です。
歴史に興味を持ち始めた若い頃、数多くの戦国武将の中でも、とくに上杉謙信の生きざまに共感を覚えました。今年5月に歴史のブログを開設した時も、真っ先に紹介した人物が謙信だったのです。
上杉謙信を漢字一文字で言い表すならば「義」。これしかありません。謙信の「義」には、正義、信義、忠義など様々な思いがあり、それは戦いだけでなく、朝廷や幕府を重んじる姿勢にも表れています。
謙信の「義」を象徴する逸話が「敵に塩を送る」です。領地に海を持たない武田信玄を苦しめるため、駿河の今川家が「塩止め」という手段に出て、相模の北条家もこれに賛同し、上杉家にも協力を求めました。
ところが、謙信は「私が戦う相手は信玄であり、領民ではない」として、塩止めはしなかったそうです。糸魚川から大町を経て松本までの千国街道が「塩の道」と言われる由縁になったとされます。
生涯における戦いも独特で、その多くが領土拡大のためではなく、「義」を侵す武将(武田信玄や北条氏康)を倒すための戦いでした。その軍団は士気が非常に高く、戦国最強クラスとまで言われています。
明日からは、「歴史・人物伝~謙信の戦い編」と銘打ち、上杉謙信の生涯について「合戦」を通して紹介していきたいと思います。
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