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歴史・人物伝~太平記・倒幕編⑫一族もろとも滅亡した北条高時
歴史・人物伝~太平記編の第12回。この項の最終話となります。
後醍醐天皇の鎌倉幕府打倒の願いは、六波羅探題滅亡によって京都奪還に成功し、幕府本拠地の鎌倉にも新田義貞の大軍勢がなだれ込み、いよいよ最終決着へと突き進んでいました。
北条軍は各所で果敢に戦いを挑みましたが、勢いに勝る新田軍に次々と打ち破られていきます。足利尊氏の妻の兄で、執権だった北条守時も戦死しました。義弟の裏切りをどう思っていたのでしょうか?
大軍勢に追いつめられた北条一族の最高権力者・北条高時は、一族や御内人とともに東勝寺へと追い込まれます。「もはやこれまで」と感じた高時は、自刃することを決断するのです。
高時の自刃に続き、幕府政治の実権を握っていた御内人や一族の女性に至るまで、次々と相果てていきます。まさに「滅亡」という言葉通り、凄惨な光景だったそうです。
太平記では、高時を愚昧な人物と断じています。ですが、一族や家臣がそろって高時に殉じたことを考えると、決して愚昧なだけでなく、カリスマ的あるいはシンボル的な存在だったのではないでしょうか。
この後太平記は、後醍醐天皇による新たな政治を綴っていきます。この項の続きも、いずれ書きたいと考えています。
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