見出し画像

四川料理に勝るとも劣らない湖南の辛味

四川料理と言えば、皆さんが思い浮かべるのは「辛い」ということかもしれませんが、実は中国にはもう一つ、辛さでは四川料理に全く劣らない料理がありまして、それは湖南料理です。

湖南省(フーナン)は、中国の中南部に位置し、省都は長沙市。省の略称は「湘」

WIKIPIDIAによりますと、「北部は洞庭湖平野、中部は丘陵地帯、南部は山岳地帯となっている。水稲生産が盛んで、中国の主要な米産地である。南の広東・広西両省区との間には南嶺山脈が走る。」とのことで、温暖湿潤気候で、四季がはっきりしています。夏は暑く湿気が多く、冬は比較的穏やかです。

山に囲まれている所に住む人は辛いものが好きです、なぜかというと、じめじめした気候で、汗をかきにくいので、辛いものを食べて汗をかかせるためです。韓国料理、四川料理が辛いのもその理由です。

湖南省世界遺産---武陵源

おかず


湖南省全体はグルメ天国と呼ばれていて、長沙、株洲、湘潭の三都市の中に、株洲は一番おいしいと言われています。

株洲は若い都市であり、知名度は他の都市に比べて少し低いかもしれませんが、飲食面に関しては素晴らしく、湖南の東地域の風味が集まっています。

湖南田舎料理

株洲の各県、市の地名は、地元の人々の味覚の誇りを引き出すことができます。例えば、醴陵市の「醴陵小炒肉」という炒め物です。千年の古都である醴陵は磁器の都で何度も国宴で使われた「国宴磁器」を提供しました。食卓に並ぶ美しい器の中で、醴陵の炒め物の風味は香り高く広がります。「醴陵小炒肉」の特徴は非常に濃厚で潤いのある肉汁で、ご飯と混ぜて食べると最高です。

醴陵小炒

本番の「醴陵小炒」は、脂肪が3割、赤身が7割の豚の前足の肉を使って、醴陵特有の特製焙煎唐辛子粉で完成させます。特製焙煎唐辛子は炒め肉に十分な辛味を与えるだけでなく、汁の中で溶けて赤く艶やかで芳醇な香りを生み出し、色、香り、味のすべてが最高の調和を達成します。

この特製唐辛子が醴陵の多くの炒め料理の魂と言われています。地元で生産される玻璃椒(ボーリーチャオ)は香りが豊かで、辣子鶏(鶏肉の唐辛子炒め)、骨なし肉の料理に使うなど、湖南料理にも欠かせない厨房の宝物になっています。

醴陵玻璃椒


醴陵を南に向かって味を求めて進むと、攸県に到着します。ここの名物は「香干(香り高い豆腐干)」です。

中国には豆腐の作り方はとても豊かで、食べ方のそれぞれです。「香干(シャンカン)」は、豆腐に圧力をかけて、水分を抜き、軽く乾燥させた後、香辛料をつけて、味を染み込ませます。井戸水で作られる「香干」は、大豆の香りが豊かで、他の調味料を使わず、ニンニクの葉と一緒に炒めるだけで十分おいしいです。

攸県香干

主食


湖南省は水稲生産が盛んで、中国の主要な米産地であるため、主食は米になります。米で作ったライスヌードルは「米粉(ミーフン)」と呼ばれています。

醴陵の「炒め米粉」は食べずに帰れない名物です。豚脂で卵とモヤシを炒め、次に醴陵特有の細い米粉を加え、唐辛子、ネギ、生姜を加えて炒めることで、豊かな香ばしさを引き出します。ライスヌードルが細いですが、非常にコシがあり、歯ごたえが良く、乾燥していても独特の香りが漂います。これは夜の屋台でおすすめの一品です。

醴陵米粉炒め

一方、攸県の人々はスープ米粉を好みます。コシのある細い米粉はスープとの相性が良く、絶妙な食感と風味を持っており、攸県の定番朝食です。毎朝、多くの食客が店の外に集まり、竹の椅子に座り、濃厚で鮮やかなスープに特製ラー油をかけて、ライスヌードル一杯をすすります。
朝から辛いもの!さすがですね。

株洲のスープライスヌードル


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?