AIC生ブログ|米(稲)は奥が深い。(by内野)
マイファームが運営する社会人向け週末農業学校「アグリイノベーション大学校(AIC)」の現役受講生が綴るブログシリーズ、今回は内野寛之さんの第4回目です!
▼前回の記事はこちら▼
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アグリイノベーション大学校(以下、AIC)12期生の内野寛之です
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言・外出自粛も解除され、子供たちも通常通り学校も始まり、楽しそうに登校しているのでホッとしています。
まだまだ通常通りの生活とはいきませんが、徐々に日常生活に戻っている感じがします。
引き続き3密(密閉・密集・密接)を避け、マスク着用し、手洗いうがいをして全力で感染防止に努めていきます!
AIC再スタート
AICも6月から待ちに待った実習が再開いたしました!もちろん検温、マスク・手袋着用で作業をしています。
ということで少し大阪農場をご紹介。
大阪農場はAICの実習地で唯一、田んぼがあり、田植え実習を行うことができます。
広さは約12aです。写真では分かりづらいかもしれませんが結構広いです。
この広さを手植えしますから時間がかかりました!!
今回は泥だらけになったのであまり写真は撮れませんでした。
↑ 田植え前
↑ 田植え後
続・育苗チャレンジレポート
そして、前回ブログの、育苗チャレンジの続きです。
ポリポットに植え付けてから8日後に発芽しました。
1つ目のポットはすべて発芽しましたが、2つ目のポットは2個発芽しませんでした。発芽しなかった原因はおそらく種の個体差ではないかと思います。
11日後にはしっかり子葉が開きよく見ると小さい本葉も見えます。そして、残りの2個も発芽しました。
20日後には本葉がしっかり開きました。
ここまで大きくなると植え替えをします。しっかり根が張っているのがわかります。
このまましばらく育ててみます。経過はまた報告しますね。
米(稲)について概要!
ではブログ第4回目、『米(稲)』について書いていこうと思います。
米(稲)の原産は中国南部の雲南省あたりと言われていて、イネ科イネ属の植物に分類されています。イネ科の植物としてはコムギ・トウモロコシ・オオムギ・サトウキビ・タケなども仲間になります。
ちなみに、米・コムギ・トウモロコシを世界三大穀物と呼んでいます。豆知識として覚えておくとプチ自慢ができるかもしれませんね。
米(稲)は縄文時代後期~弥生時代に中国大陸から伝わりました。約3000年も前から米(稲)が徐々に広がり日本の文化や家庭に根付いていったのですね。
特に神事では必ず米(稲)を祀ります。
最近では天皇の代替わりの際に行われる『大嘗祭(だいじょうさい)』で使われる米の収穫儀式『斎田抜穂(さいでんぬきほ)』が行われました。その時に選ばれた品種は、「栃木県産・とちぎの星」と「京都府産・キヌヒカリ」でした。この品種は販売されていますので、興味のある方は是非ご賞味ください。
知ってますか?お米は全部で○種類!
正解はジャポニカ種・インディカ種・ジャバニカ種の3種類になります。
小学生や中学生時代に聞いた気がするなー!という方もいらっしゃるのでないでしょうか?
では簡単に一品種ごとに説明します。
ジャポニカ米
日本で食されている米がこれの種類です。粒形は円粒で加熱時の粘りが大きいのが特徴です。
調理法は炊く・蒸すになります。
栽培には温暖で適度に雨が降る地域が適しており日本以外にも朝鮮半島や中国・台湾などで栽培されています。
インディカ米
タイ米がこれにあたります。粒形は細長く加熱時粘り気が少なくい炊き上がりパサパサしているのが特徴です。
調理法は煮るか茹でるまたはカレーや別の食材と炊き込みにすることが多いです。
栽培には高温多湿が適しており、タイやインド・ベトナムなどで栽培されています。
ジャバニカ米
あまり聞きなれないお米ですね。粒はやや大きく味わいはジャポニカ米とインディカ米の中間の存在です。
調理法は炊く・煮る・茹でる等があり、本場のパエリアやリゾットはこのお米で調理されています。
栽培は亜熱帯地域が適しており、インドネシアなどの東南アジア・イタリヤ・スペインなどです。
米(稲)はその地域に合った品種を育て、各国で独自の調理法で米料理が発展しているようです。
日本の米料理は、米に合うおかずが発展したのではないでしょうか?
炊くだけで甘みがありとてもおいしいですよね。加工品にしても日本酒、米糀などがありますが、米その物がおいしくなければ、味付けなしでここまでおいしいものは出来ないはずですからね。
それほど日本の米はおいしいと言えるのではないでしょうか?
余談ですが、お米の事を書いていると僕のお気に入りのバンド『打首獄門同好会(うちくびごくもんどうこうかい)』の『日本の米は世界一』と言う歌が頭から離れずブログを書く手が進みませんでした。
美味しい米を作るには?努力の結晶、品種改良!
まずは日本の生産地と生産量を見ていきましょう。
今回はベスト5をご紹介!
比率は今までご紹介した野菜のようにばらつきがなく万便なく生産されていることがわかります。
生産地は寒く降雪量の多い地域がランクインしているのがわかりますね。
ここで、(僕の主観で)各道県の代用的な米の品種を紹介します。
新潟県『魚沼産コシヒカリ』
北海道『ゆめぴりか』
秋田県『あきたこまち』
山形県『つや姫』
宮城県『ササニシキ』
みなさんも食べたことのある品種があるのではないでしょうか?
このラインナップはさすが米どころベスト5という感じですね!
でも、あれ?
ジャポニカ米は温かく雨の多い地域が原産なのに何で寒い地域の生産量が多いの?と疑問に思いませんか?
その問題の解決策の一つが品種改良になります。
品種改良をすることにより、猛暑や冷夏に強くなる・強風でも倒れにくくなる・病気に強くなる・美味しくなる・収穫時期が早くなるなどの効果があります。
言葉一つで品種改良と言いますが、これには途方もない時間と労力がかかっています。
ここで品種改良の手順の例を紹介します。
・1年目:人工交配・世代促進
違う種で交配し新たな種子(雑種)を誕生させ、その種子を栽培し子孫を増やします。
・2年目:さらに世代促進
さらに優良な種子を選び、温室などで栽培し、1年間で2~3回育てます。
・3年目:個体の選抜
一株ずつ栽培し、両親の米(稲)の優れた特徴を受け継いだ株を選んで刈り取ります。
・4年目:単独系統の選抜
この年から列で植えばらつきがない列だけ選別し残りは処分します。
・5年~7年目:育成・生産力・特性試験
さらに栽培を繰り返し性質を揃えていきます。味・生産性・耐病性・対候性など様々なテストを繰り返します。
・8~10年目:推奨品種調査
優れた評価の物を選び、残ったものに試験番号を付け、各県の農業試験場で3年検証を行います。ここで欠点が見つかれば検証が打ち切られることもあります。
・11年目~:新品種誕生・品種の普及
様々な試験の結果、優れた性質を持つことが実証されれば新品種となり、普及活動が始まります。
いかがですか?
一つの品種が生み出されるのに少なくとも10年以上かかります。
世間に認知されるまでには15年以上はかかるのではないでしょうか?
このような事を知っていると、何気に食しているお米の見方が変わりますね。
品種改良は今も続けられているはずです。もしかすると、酷暑にも耐える品種が近い将来、誕生するかもしれません!楽しみですね!
今回は米(稲)について書いてみました。
AICの実習もいよいよ本格始動です。
次回はオクラの生育続き・実習地の様子・チャレンジ区画を紹介できればと思います。
チャレンジ区画とは、実習生が班に分かれ畑の一部を使い、好きな作物を管理し育てる区画のことです。
ではまた。
書いた人:内野 寛之(ウチノ ヒロユキ)
大阪府在住、働き盛りの38歳、夫婦共働きで2児の子育て奮闘中です。
性格は温厚・マジメ・マイペース(自称)。現在はサラリーマン(営業)として働いていますが、以前は鍼灸院・整骨院で勤務したこともあり、国家資格も取得している変わった経歴の持ち主です。