見出し画像

【緊急解説】日経平均株価の"大暴落"ブラックマンデーを超える

こんにちは。株式会社myコンサルティング 代表の坂元康宏です。

昨日(8月5日)は、金融経済の歴史に残る1日となりました。
ブラックマンデー(※) を超える株式市場の大暴落となり、日経平均株価が1日の下げ幅としては史上最大となる4,451.28円下げ、終値で31,458.42円となりました。

7月11日には42,000円台に乗ったこともありますから、そこから1か月足らずと非常に短期間で10,000円以上も下落したことになります。
昨日(8月5日)だけでも約12%くらい下がっています。

ブラックマンデー(※)
1987年10月19日の月曜日に起こったニューヨーク株式市場の大暴落のこと。
ダウ工業株30種平均は、1日の取引で508ドル(22.6%)下落しました。米国は財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」を抱えており、ドル安に伴うインフレ懸念が浮上したことが原因とされます。また、プログラム売買が、株価の下落を加速させました。ニューヨーク市場の暴落は全世界に波及し各国で同時株安に陥りました。

大和証券HPより

為替は、大きく円高となり、一時140円台となりました。
株安・円高という逆回転の流れになった印象です。

また、今日(8月6日)の日経平均株価は、一転してザラ場(※)で3000円以上値上がりしています。
為替も一転して円安に振れています。
まさにジェットコースターのような状況です。

これらは、以前から私どもがnote記事で書いてきた『ブラックスワン現象』の一つといえます。

日経平均株価がこれだけ上がっていたので、どこかで暴落するのは分かっていたと思います。
ただ、1日でこれだけの値動きをすることは、ほとんどの人が予想できなかったと思います。

今回の原因として、様々なことが報道されています。

1. 米国の景気減速への懸念
2. 日銀の利上げ、円キャリ―トレードの巻き戻し
3. 中東情勢の緊迫化
4. 投機筋の仕掛け

特に大きな下落要因とみられているのは、直近の雇用統計の悪化などから米国の景気減速が意識され始めたことに加え、日銀の利上げが重なったことで、リスク回避の動きから円キャリ―トレードの巻き戻しが起こったというものです。

実際に日米の金利差とドル円の動きを並べてみると、2020年以降ほぼ相関していますが、今年に入ってからは特に円キャリ―トレードのポジションが増え、かなり乖離していたことが分かります。

ドル円と日米金利差(10年)

日経平均に関して言えば、この円キャリ―トレードの対象として2024年の上昇を牽引してきたAI銘柄の寄与度が非常に高く、それらが売られたことで米株以上の下げ幅になっているのではないかと考えられます。

こうした様々な要因から「売りが売りを呼ぶ」状況となりました。
市場のボラティリティ(※)が高まっています。

ボラティリティ(※)とは、一般的に価格変動の度合いを示す言葉で、「ボラティリティーが大きい」とはその商品の価格変動が大きいことを意味し、「ボラティリティーが小さい」とは価格変動が小さいことを意味します。

SMBC日興証券HPより

仮想通貨についても、大きく下げています。
仮想通貨はもともとボラティリティが高いですが、昨日は1万ドル以上下げており、5万ドルを割る勢いでした。今日は少し上がっている状況です。

株が暴落したことで、追証をしなければならない人が発生し、仮想通貨を現金化する流れができたのかも知れません。まさに「パニック売り」です。

このような状況では、確認した方が良い数値があります。
株でいえば「VIX指数(恐怖指数)」です。

VIX指数(2023年~現在)

VIX指数は通常20以下で推移し、それを超えてくると投資家の不安が高まっていることを示します。
昨日は一時65まで上がり、平時の約3倍になりました。
そのため「株を持っているのが怖い」という心理が働き、売りが売りを呼んだと考えられます。

仮想通貨でいえば「CMC Crypto Fear & Greed Index」です。

CMC 仮想通貨 恐怖・強欲指数

CMC Crypto Fear & Greed Indexは、暗号資産市場の投資家の心理状況を反映しており、100~75が「極度の強欲」、75~55が「強欲」、55~45が「中立」、45~25が「恐怖」、25~0が「極度の恐怖」とされています。

基本的には40を下回るくらいで底をつけることが多く、今回も急激な下げで一気に市場が総悲観になったところで反発をしています。

今回の大暴落について、ミニリーマンショックという意見もありますが、一時的な調整という意見が多いです。ただ、相場は一般的に急落後は直後に反発しても2番底を付けに行くことも多く、すぐに楽観するのは危険です。
いずれにしても上がるか下がるか不透明な状況です。

こうした報道が出ると、必要以上に危機感を持ってしまう方もいます。
昨日の暴落では、あわててNISAを解約した人もいたようです。

しかし、必要以上に危機感を持つ必要はありません。
NISAのような長期目線での投資において、ドルコスト平均法の観点から今回の暴落をみると、株の単価が安くなったことで同じ金額でもより多くの株を買うことができます。逆に今回のようにボラティリティがあったほうが最終的には利益が出やすくなります。

もちろん、個別銘柄への投資は倒産する可能性がありますが、NISAやiDeCoで多くの人が投資しているS&P500など指数に関しては、その可能性が極めて低いのであまり心配する必要はありません。

ドルコスト平均法のように長期で積み立てるような投資の場合はこのような下げに一喜一憂することなく淡々と投資をすればよいと思います。

しかし、短期的には価格が乱高下し、しばらくは低迷することも考えられますのでしっかりと2番底など底を確認してから買い向かうなど、鉄火場ではあまり触らず様子を見ることも相場で生き残る上では重要になってきます。

かの著名投資家 ジョージ・ソロス氏の格言にも
「まず生き残れ、儲けるのはそれからだ。」という言葉がありますが、今後も防御力を高めながらチャンスをうかがっていきましょう。

株式会社myコンサルティング
代表取締役 坂元 康宏

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2024©️My Consulting Co.,Ltd

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?