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歯にまつわる私の思い出と現在の話

前書

募集中のお題で見つけました。
『#いい歯のために』
ああ、11/8は「いい歯の日」でしたっけ。
歯と言えば、頭を悩ませなくてもエピソードがある。
まあ、そんな次第でエッセイを綴ります。

若い時の話

若い時、私は歯並びが悪かったです。
左右どっちだったか忘れましたが、犬歯辺りで一本だけ前方、歯茎側に飛び出ていました。
八重歯とは違う飛び出し方なので「明らかに八重歯ではないと思う……」と学生時代の私は鏡を見ながら思いましたが、虫歯がなく、学校の定期健診でしか歯医者さんに縁がなかった私は、歯医者さんへ相談することはありませんでした。
だって……。素人目に見ても変な歯並びですよ? そんなの抜かれるに決まってるじゃないですか。
歯並び悪いけど、咀嚼は普通にできる。日常生活に支障きたしていないのに、自ら進んで痛い目に向き合う必要ないですよね?

高校卒業し、短大に入り、二十歳になる前……私、3月生まれなんで、18か19の時ですかね、忘れましたが、まあそこらへん。
学校帰り、道を歩いていて、前触れもなく歯が抜けました。
口の中に異物感があり、掌に吐きだせば、【歯】ですよ。

「ふおおおおっっっ」

若い身空で歯が抜けるなんて、恐怖でしかありません。
その当時、短大に通うために親元を離れ、親戚の家に居候していたのですが、いったん帰宅して身内に相談しようとか、そういう心の余裕もなく、目の前にあった歯医者さんに「歯が突然抜けたんです!」と半泣きで歯を持って飛び込みました。

診断の結果:「心配ないですよ。乳歯が取れただけですから」

ん?

「一本の乳歯だけ、新しい歯が生えてきても落ちずに残ったままだったんですよ。歯並び悪かったと思いますけど、それ、乳歯が居座っていたせいですね。しばらくすると綺麗になりますよ」
先生の言葉の端々に、歯並びの悪さに気づいた時点で相談をすればもう少し早く乳歯取れたのにね、という気持ちが透けて見えました……。

に、乳歯……。言われてみれば、抜けた時ぜんぜん痛くなかった(血もそんなに出てなかった)。

先生の言葉通り、その後綺麗になりました


20代後半の時の話

結婚した時に母から「赤ちゃんできたら大抵歯が悪くなるから、妊娠前に歯の検査に行った方が良い」と言われました。
何故そんなこと言うのか聞いたら
「赤ちゃんがお腹にいたら麻酔できないんだよ。悪い歯が見つかっても麻酔無しで抜くことになるんだよ」

ビビリの私は即行し、結婚して住んでたとこ近くの個人歯科に行きました。先述の歯医者とは別のところです。
思えば、歯の定期検査なんて、成人してから初めてだったかもしれない。
「虫歯ではないんですが、母にこういうことを言われて……」
そう言うと院長先生は「妊娠したら親知らずが痛くなる人が多いんですよ。正しい向きで生えていないと痛みが出てきて、薬飲めないから結局抜くことになるんです」。
おっふ。親の言うことを聞いて正解だった。

そしてこの時、小柄な私は骨格も小さいんだということを思い知らされました。レントゲンを撮るために口を大きく開ける器具が私には入らない……。
「あがががが」
「本当に、本気で口を開けてます?」(容赦ない歯科衛生士…)
(開けてます~。無理ですぅ、口が裂けますぅ)心で叫びつつ、あがあが言う私に、横で見ていた院長先生は
「ありゃりゃ。入らない人ですか。まあ、小柄だから骨格が小さいんでしょう。仕方ないですね」
優しい先生で良かった…と思ったのは一瞬。
「レントゲン室で口を開けましょう。私がやるから器具持ってきて」
やっぱり口の中に器具を入れることになりました。既に顎が痛かったんですけど(涙)。
「全力でできる限り口を大きく開けてください。器具使わないとレントゲン無理なんで。撮影終わったらすぐ取るから。一瞬だから。ハイ、がんばって」
容赦ないことをさらりと言いつつ院長先生自ら、器具の装着~レントゲン撮影まで行ってくれました。

診断の結果:「親知らず4本生えてますね。でも右下以外は横向きに出てきちゃってるから、3本抜きましょうか」
どのくらいの期間をかけて抜いたか忘れました。3本一気には抜かなかったと思う……2回に分けて抜いたのかな?
 
「親知らず全部抜く手法をとる人(=医師)もいるけど、それはまあ、虫歯になりやすいからで。ボク的には、まっすぐに生えている健康な歯は抜きたくないのです」
親知らずを1本残した理由を聞きました。この説明に感銘を受けた私は、これからもずっとこの歯医者に通おうと思いました。
「虫歯は無いですね。体質だと思います。でも、そういう方は歯周病になりやすいので、ブラッシングの指導を受けてください。○○さん(歯科助手のおねーさん)、あとよろしく~」

虫歯が無い人は適当に歯磨きをするようで、ほぼほぼ歯周病になるんだそうだ。うん、心当たりが多すぎる。
「今から正しい歯磨きの仕方を覚えておけば、妊娠期間中も歯周病にならないと思います。一緒にがんばりましょう」

しばらくブラッシングの指導で通い、その後3ヶ月おきの定期検査になり、そのうち半年の定期検査を経て……気がつけば、半年の定期検査をすっぽかして以降、30代になっての歯医者通いはありませんでした。

中年になった現在

30代、妊娠することもなく……。
虫歯ができにくい体質だとお墨付きをいただいたことで、安心して日々を過ごしておりました。
40代になったある日のこと、奥歯が痛くなりました。
市販の鎮痛薬飲みましたが、効かない。
肩こり症の私は「肩こりからきている痛みだと思う……」と予想。
舌で奥を探ると、歯茎が腫れている気が……。

あ~……。これ、どっちだ? 肩こり?? 歯周病???

薬が効かない痛みは辛い。ご無沙汰していたけども、痛みをどうにかしたくて歯医者へ行くことにしました。

「しばらくぶりですね」
カルテを見た院長先生に言われました。
10年ぶりくらいの再会です。
「虫歯は無いですね。あ~……でも腫れてるなぁ、歯茎。バイ菌が入ったのかなぁ」
この後、歯科助手さんに私は引き渡され、歯周ポケットの点検をされ、口中血だらけになりました。

診断の結果:「歯周ポケットが深すぎます(8~10ありました)。歯周病になりかけてます。歯茎を引き締めるために正しい歯磨きをしていきましょう。腫れてる奥の歯茎には抗生剤を注射しておきます」

正しい歯磨きの仕方……。何年か前にも言われた気が……。
生来の怠け者なので、歯医者通いを止めた後は、適当に歯磨きをして暮らしておりました。
おっふ。ここへきて、ツケが回ってきたようだ。

歯周病が進むと歯が抜けるそうです(怖)

この後、一週間もしないうちに歯茎は痛くなくなりましたが、歯周病予防の指導が入り、1ヶ月に1回、歯医者へ通うことになりました。
通うたびに歯周ポケットの点検をされます。
一本一本歯の周りを刺され、深さを測られます。
「10、10、9、8、8……」
読み上げられる数字で、自分の歯茎が緩んでいることを思い知る……。
とにかく痛いんですよ、あれ。
「出血は全部」
針でプスプス刺してんだから、血が出るのは当たり前だろ。
内心毒づきながら、涙が浮かんだ目をパチパチさせつつ、歯科助手のおねーさんの話を聞く。
「全体的に歯茎が腫れているので、柔らかい歯ブラシで。歯を磨くというより歯茎を引き締める目的で歯ブラシを使ってください」
わかりました。

月1回のブラッシングの指導の傍ら、歯周ポケットが深い、と己を知った私は、歯磨き粉を変えました。
薬用歯磨き粉を使ってみた感想は、薬用成分が入っているだけあって、とにかくまずいです。歯磨きの時間が圧倒的に楽しくない。
自分の口に合うものを探した結果、システマ:ハグキプラスが良かったのでそれを使い続けることに。
そして、数ヶ月後。
「8、5、3、3、2……」
?!
「出血は…6・7番のみ」
ふぉ?! 全部出るものじゃなかったの?!
「すごいです。がんばりましたね。深さはまだありますけど、歯茎引き締まってます!」
うおー。歯茎引き締め効果のある歯磨き粉の威力、すげえ。

「歯茎が絞まったおかげで、中の歯垢が取りやすくなりました」
歯石を除去され、次の段階へ。
「歯ブラシの他に、歯間ブラシを使ってください。こうやって縦に入れて……」
歯と歯茎の間の隙間に縦に入れろ、となかなかハードなことを仰る歯科助手のおねーさん。
「は、はあ……」
はい、と肯定的なことを言いつつも、ビビリなので、歯間ブラシを縦に使えない私。定期的に通ってますが、歯間ブラシを使いこなせていないのバレバレだと思います。
そんな私に、おねーさんが歯ブラシを勧めてきました。
「当院推奨の歯ブラシなんですけど、ちょっと高いんですが、使用感がものすごく良いので一度使ってみてください」
クラプロックスの歯ブラシ。近所のドラッグストアじゃ売ってないヤツです。
歯茎が引き締まった私は、調子こいて歯ブラシもそれに変えました。

使っている歯磨き粉と歯ブラシ
クラプロックスのすごいところ=毛量

そして現在に至る~後書~

「8、4、5、2、2、1……」
前歯辺りが深さ1㎝になりました!
奥歯は歯間ブラシが突っ込めないせいで深いままですが、歯間ブラシが使える範囲は浅くなりました(ビビリながらも時々やってます)。
おかげで月1の通いが、2ヶ月おきになりました。

40代~50代の方へ
虫歯が無いから大丈夫、と思っていても、疲れから歯茎が腫れることもあるんです。
久しく歯医者へ行っていない方は、元気なうちに定期検査で歯医者へ行くといいですよ。
歯茎検査はけっこう痛いので精神力が削られます。体力があるうちに行った方が本当にいい!
そして、道具もそれなりの物を使うと、効果が出るということがよくわかりました。
若い時から同じものを使っている方、財力があるうちに買い替えましょう。
歯に関しては、高い物を買っても損はしないと思います!

#いい歯のために

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