#177 Kさんとめざまし占いの思い出
2022.10.20.
昔からなぜか…めざまし占いを信じている節がある。めざまし占いとは、朝の情報番組「めざましテレビ」で放送されている星座占いである。
良い結果の日は「今日は何かいいことがありそう!」という気持ちで家を出る。その後は基本忘れている。笑。
悪い結果の日は何か悪いことが起きると「そうだよね、今日最下位だし、このくらい起こるよね。」という気持ちになる。占いの結果だから仕方ない、と受け止めるのだ。
特に気にするのは、仕事でちょっとした緊張するイベントがあるときだ。研究授業、授業参観、行事…。ここで最下位など出ようものなら嫌な予感しかない。
なので、「イベントの日に獅子座が最下位である表示を見ないようにする」という技も身につけた。万人が見るテレビの占いだ。2連続で同じ星座が1位や最下位になることはまずない。なので、気をつけるべきは前日の占いである。前日がよくない結果だと安心だ。
前日に万が一1位をゲットしてしまったら…当日はもうめざまし占いを見ないことに決める。もう「前日1位だった」という誇りを胸に、当日を頑張るしかない。逆に前日最下位であれば見ていても問題なし。前日悪めだったのに当日最下位だった場合は、もう回避不可能だったと諦めるしかない。
そこまで占いに注目している私なので、授業中の雑談で時々その話をしてしまうのだ。
「なぜか私、めざまし占いは結構信じてるんだよね〜。」
「今日は獅子座1位だったよ!」
「お皿割れた?あちゃー、どおりで今日獅子座最下位だったわ!」
そんな私のめざまし占い好きを覚えてくれていた人のうちの一人に、Kさんという子がいる。6年生を担任したときにクラスにいた女の子だ。
Kさんは、とてもサバサバした子だった。6年女子なのになぜか「うんこ!」と言ったり書いたりしてしまう、3歳男児のような面を合わせもった子だ。
「誰かこれやってくれないかな?」と聞いたことは、大抵手を挙げて引き受けてくれた。
「前の先生はもっと私たちに色々と任せてやらせてくれました!そういう方が私はいいです!」と彼女から言われたこともあった。一瞬ガーンとなったが、その想いを溜め込まずにストレートに打ち明けてくれたことがありがたかった。私もやり方を少し改善した。
学級会で意見があまり出なかったとき、「私はこう思う!だけどそれに決めて欲しいんじゃなくて、みんなの意見が聞きたいの!」と発言していることもあった。
誕生日の子がいたら、前日の放課後友達と一緒に少し残って、黒板に「ハッピーバースデー」のメッセージを描いていた。
私は、学級経営をする中で、彼女のバカ高い人間力に助けられたと思う。
そんなKさんが私にめざまし占いの話をするときは、いつも「獅子座が最下位だったとき」だった。
「先生〜、今日は獅子座最下位だね!ドンマイ!」
と、にやにやしながら近づいてくるのである。悪趣味だ。
めざまし占いは、彼女と、このお約束のやり取りができるきっかけにもなったのだ。
その年も、嵐のように駆け抜けた1年だった。通知表を渡すとき、私はいつも「先生の通知表」を書いてきてもらい、交換する。
6年生の3学期だけは、他の学年より一足早く、卒業式前日が通知表渡しとなる。最後だからか何なのか、今回は本物の通知表を真似して、中身もいっぱい書いてある形式の子が多かった。
Kさんの「先生の通知表」は…
なぜか茶封筒…!
な、泣ける…。(感動の意味で。)
配った画用紙無くしたとか言うし、代わりが茶封筒だし、便箋もよく見たらノートビリビリに切った紙だし、字が汚いし、モザイクかけてあるけど誤字いっぱいだし!もう突っ込みどころ満載だ。
極め付け、P.S.的な位置に
「本日3/23 しし座12位」。
最後の最後までKさんらしいメッセージ。明日の卒業式はきっと、最下位ではないことだろう。
彼女の今後の活躍は疑いようもないけれど、どうか幸せに過ごしてほしい。
なぜこんなことを思い出したかって、今日のめざまし占いは獅子座が1位だったからである。保育園に姪2を送りながら、自慢した。
私「今日の獅子座は1位なんだよ。」
姪2「知ってるー。」
私「占い見てたの?」
姪2「うん。天秤座(自分)はね、5位。」
私「5位かー!」(反応に困る順位だな。)
姪2「姪2ちゃん5歳だし!!!」
!!!
私「5歳で5位か…!それはラッキーっぽいね!」
姪2「うん!」
要は捉え方なのよ、何事も。