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#654 私のノート指導をどうかお許しください

2024.10.14.
紫金山アトラス彗星っていうやつが、10月下旬にかけて日の入り後の西の空に見えるらしい。見たい。忘れないようにしなければ。



反省している。
何かと言えば、ノート指導についてである。

「みんなの教育技術」で紹介されている理科ノートの例

5、6年生の理科の授業で、ノートを確認しているときに驚いたことがある。

6年生はしっかりノートを書いている子がほとんどだった。板書はきちんと写し、大事だと思うところは強調したり、友達の発表したことを書きとめたりしている子までいた。
そうなると、一番差が出るのは「自分の考えを書く活動」であり、どのくらい理解しているのかによって違いが出てくる。

対する5年生は、6年生に比べると全体的にノートが雑。一定数だがほとんどノートを書かない子もいた。5年生のサポーターの先生によると、私の授業は他の教科に比べて板書量が少ない方らしい。にも拘らずである。
自分の考えが書けないのではなく、板書を写すことからまずできていない。加えて、配ったプリントを貼らずにいてどこかへ行ってしまうとか、大幅にはみ出して貼られているとか。はみ出さないように多少周りを裁断したプリントなのに、なのだ。
全体的な学力にも5、6年生で差があるように感じた。

そしてプリントは道具箱の中でぐちゃぐちゃになるのが関の山

そんな実態もあり、

★ノートは自分の考えを残しておくものだから、板書をただ写すことは強要しない。
★毎回ノートを集めると全クラス分ですごい数になってしまうので、単元の終わりにまとめてノートを確認する。(または、自分の考えを書く活動が中心だったときに集める。)

というようにしていた。



でも…違ったな!

今、1年生のサポーターをしていて強く思う。


1年生、学年主任の先生のクラスは、ノートがとてもきれいである。
若手の先生のクラスは、書き方が統一されておらず子供によってバラバラだし、そもそも書き終わっていない子もいる。

何が違うのか、それはサポートに入っていると一目瞭然である。

①書き方を分かりやすく提示している
②きちんと書けているかチェックしている

からだ。



①書き方を分かりやすく提示している

主任の先生はノート指導の際、基本的に書画カメラを使っている。自分も実際に子供たちと同じノートに書き、「1の下に書くよ」「ここは1マス開けるよ」と見せながら伝えている。

ザッキンチョさんのブログより。美しい!

これから少しずつ書画カメラから板書に切り替えるそうだが、まずはしっかりと同じマス目のノートを写せるように指導していた。


②きちんと書けているかチェックしている

主任の先生のクラスは、授業終わりに必ずノートを提出する。書いたページを開いた状態で列ごとに集めるのだ。
で、先生はそれを確認して、きちんと書けていれば判子を押す。コメントなどはなし。

shachi-magaさんより

これをしていると、書けていない子が誰だか分かる。中には、みんなと同じ量を書くのがしんどい子もいるし、どうしてもページを飛ばしがちだったり文字を書き間違えたりする子もいる。

集めることで、ちゃんと書いていない子にやり直しをさせるとか、たくさん書けない子に必要なサポートをすることができる。
そして、授業中に「みんな、ノートを書くのがうまくなったねえ」と褒める材料にもできる。


うーん…これは…

守破離だ。

守破離(しゅはり)とは、茶道や武道、芸術などの修行の過程を3段階で表した言葉です。それぞれの段階の意味は次のとおりです。

・守:師の教えや型、技を忠実に守り、基本を身につける段階
・破:既存の型を破り、他の師や流派の教えを取り入れて発展させる段階
・離:基本や応用から離れ、独自の新しい世界を確立する段階

語源は諸説ありますが、茶人・千利休が茶道の心得や作法を和歌でまとめた「利休百首」に、「規矩作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても 本を忘るな」という歌を遺したのが始まりと伝えられています。

ネット検索で出てきたAIによる概要

学年主任の先生は、「守」ができるように、しっかりと指導をされている。

自分も1年生担任のときは、何もかもが最初の一歩だとかなり意識していたのだが、高学年ともなるとこれまでの先生方に乗っかる形の方が多かった。

でも、5年生でも「守」ができていないなと思ったら、そこから始めるべきだったのだ。
書いた内容がほぼ板書通りで個人差がなさそうな日でも…まずは集める。書けていたらスタンプだけ押す。褒める。
プリントの貼り方の指導をする。ピタ貼りなのかペラ貼りなのか、自分で判断できるようになるまでは伝える。正しく貼れているか確認する。
「・」を使って箇条書きにまとめるときは、「・」の位置を揃えた方が見やすいとか、左2行のところで線を引いて「問題」とか「考察」とか見出しをつけると整理されるとか、そう書く意味も伝える。


「守」ができていない段階で、「破」だの「離」だの言ってられないのよ!

そして、大して指導もしていないのに「この子たち、ノートきちんと書けていないなあ」じゃないのよ!


ああ、今後悔しても仕方ない。
願わくば担任の先生が他の教科の授業で伝えておいてくれないだろうか。

ノート指導の「守」、自分が授業するときもサポートするときも、大切にしようと思う。

懺悔。


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#ノート書いていない子はもちろん心配だが
#ノートきれいに書くことにこだわりすぎて全然授業聞いていない子はもっと心配

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