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#377 3チームおにごっこ(全学年/体育)
2023.7.1.
実は、大学では小学校体育を専攻していて、中高の保健体育の免許も持っている。入学時に第3希望まで書いて提出したところ、第3希望に書いた体育になっていたのだ。きっと体育の希望者が少なかったのだろう。
体育科に入って気付かされたのは、「運動ができない人の気持ち」と、「運動をするのと運動を教えるのは全くの別物だ」ということである。
体育科には本当に運動神経の良い人たちが集まっていて、特に中高の保健体育科の人たちはたいていどの種目もできる。自分ができない側になる種目では、見られたくないなとか、やりたくないなとか、恥ずかしい悔しいという子の気持ちがよく分かった。
逆に、できる側になる種目だと、その感覚を他の人に伝えるというのはとても難しい。どうしたら他の人や子供たちができるようになるのか、やる気になってくれるのか分からない。だって、自分はあまり意識せずできてしまっているから。
なので、体育科だったにも関わらず、体育の授業にはずっと難しさを感じてきた。
今回紹介したいのは、ウォーミングアップのひとつ「3チームおにごっこ」である。寒い時期に運動量を確保して体を温めたいとか、主運動に繋がる動きが含まれるとかだとなおのことよい。
<ルール>
◆子供たちを、赤・白・黒(帽子なし)の3チームに適当に分ける。
◆離れた場所にそれぞれの色のコーンを立てて、陣地とする。
◆赤は白を捕まえる。白は黒を捕まえる。黒は赤を捕まえる。捕まえたらその子を自分の陣地に連れていく。
◆連行している間は他の子をタッチしたりされたりできない。
◆捕まった子は連なって味方に助けを求める。味方がタッチしたら解放され、自分の陣地に一度戻って復活してまたゲームに戻る。
◆時間になったときに一番捕まえた人が多いチームの勝ち。
このおにごっこの素晴らしさは…
①運動の得意不得意がそんなに関係ない
3チームで行うので、どこかのチームの捕まった人が増えればそれを捕まえたチームの敵が増えることになり、結局は拮抗する。それに、全員がおに役でもあり逃げる役でもあるため、足の遅い子がずっとおにをやり続ける、というような状況にもならない。
②時間で終わるので、こちらの好きな設定時間にできる
全員が捕まってしまって終了!ということは滅多にないので、こちらの設定する時間で区切ることができる。万が一全員捕まってももう一度始めればいいだけである。
③体だけでなく頭も使う
このチームからは逃げないと、このチームは追いかけないとなどとただ単純に逃げる追いかけるだけではない考える力が必要になる。
というところではないだろうか。
やり慣れてくると始まる前に作戦を考えるチームが出てきたり、円陣を組んで「頑張るぞ、オー!」とか言うチームが出てきたりしてとても微笑ましい。
何よりみんな楽しそうなのだ。
最初はきっと混乱するので、大まかに説明、やってみて、その間教員は気になるところをどんどん声かけし(特に仲間にタッチしてもらってからの復活までの動き)、終わったあら質問や確認をしてルールを定着させていくとよいと思う。
暑い時期にはあまりおすすめできないが、夏は短時間で、冬は少し長めに、ぜひともやってみていただきたい。