#621 バレーーーーー
2024.8.7.
寝ても醒めても、悔しいとしか言いようがない。
という出だしで、「ああ、バレーの話ですね」と思う方、心の友よ!
もう2日前のことになるが、パリオリンピックで、日本男子バレーチームが準々決勝でイタリアに敗れ、オリンピックを終えてしまった。
これまで私は、何度も日本男子バレーへの愛を書き残してきた。
だけど今回は、やったー!すごかったなー!面白かったー!やっぱりかっこいいなあ!という興奮状態からそのまま記事を書くというわけでもないので、この今のなんとも言葉にし難いぐちゃぐちゃした気持ちを、まとまるのかまとまらんのか分からないけれど、薄れないうちに何か残そうと思う。
かなり脱線する気がする。
どんな気持ちか分類するのであれば、
悔しくて、悲しくて、ものすごく寂しい
になるのかな。
率直に言えば、今回ばかりは「負けたけどいい試合だったよね」とかじゃなくて…「課題はいっぱいあったけど、とりあえず勝って良かったね」が欲しかった!
★期待値を上げすぎていたオリンピック開幕前
ネーションズリーグ、OQT(オリンピック予選)と、どんどん強くなる日本チームを観て、これは夢物語でもなんでもなく、本当にメダルをかけて試合ができる状態になってきた感じがあって。
予選がどんな組み合わせになろうとも、絶対決勝トーナメントに上がれるはず。準決勝まで行ける確率も高いし、うまくいけば決勝で戦う彼らを観られるかもしれない。
だから、他の競技はテレビでやっている中で気になったものを見るという感じだったが、男子バレーだけは試合開始時間をチェックし、16時スタートであれば自分の練習後にテレビで試合終わりを見届ける。朝4時スタートであれば早起きする。20時スタートであればそれまでにお風呂も済ませて完璧な状態でテレビの前に待機。そのくらいの気合いが入っていた。
★予選リーグ8位通過はなんか予想の範囲内
そこまで結果が出ると信じていたけれども、決勝トーナメントには行けると確信してはいたけれども、実は予選の内容にはそこまで期待していなかった。
日本の強さはまだ成金的な感じなので、絶対最初はオリンピックの空気に飲まれたりして、全然力が発揮されないなんてこともありそうだなと思っていた。(初戦の最初は練習中だったので戦況をXで追っていたのだが、やっぱり…みたいな。)
そんな予想以上に、石川選手への徹底マークのせいなのか、調子が悪いせいなのか、久しぶりに自分たちのバレーができていない試合が続いた。まさかの1勝2敗?予選8位?石川選手の途中交代?あらららら。
中高の卓球の試合でよくあった、なんか強い相手と当たって、何をどう改善すればいいのかよく分からないまま、あれよあれよと点数を取られてあっという間に負けるやつ。あんな風になって欲しくはない。
★オリンピックから学んだこと
本調子でない…というか、結果の出せない石川選手や日本チームを見て、決勝トーナメントはどうなるだろうと気を揉んでいた。
話は逸れるかもしれないが、私がこれまでのオリンピックで「劣勢」に立たされた状況として一番印象に残っているのは、ソチオリンピックのときの浅田真央選手である。
真央ちゃんのメダルは間違いない。キムヨナ選手とどっちが金か…くらいの国民総出の期待を背負ってショートに臨んだ浅田選手。ミスの許されないショートでまさかのボロボロの演技。確か、14位くらい。試合後のインタビューでは本人も放心状態というか。
期待を込めてテレビで見ていたこちらですらガーン…だったのに、本人の気持ちたるや。
その時よく覚えているのが、ちきりんさんのX(当時はTwitterか)でのつぶやきだ。
ああ、そんな見方をしたことがなかったなあと思った。演技がすごいとか、順位がどうとかばかりに気を取られていて。
困難な状況のとき、どんなパフォーマンスをするのか。生き方、心の強さ。そこから自分は何を学ぶのか。
そして、結果はご存知のとおり。
いつ見ても自動的に泣ける。
オリンピックって本当にすごい舞台なんだなって。どんなに才能があっても、信じられない努力を重ねても、勝てないこともある。
と、なんだか少し浅田選手のことを思い出して、さて、石川選手はどうするのかなと。予選の出来が悔し過ぎて発狂してそうだし、緊張や興奮や悔しさや冷静さ…ひっくるめて、どんな姿が見られるのかって、私としては期待あり不安ありの予選後の心境だった。
★準々決勝が始まる
今回も20時スタート。夕飯もお風呂も済ませ、テレビの前で待機。どうか、今日だけでなく、あと2試合この素晴らしいチームでの試合を応援させてほしい!
蓋を開けたらあの出来だ。
いやあもう、画面越しにも伝わる気合いの入りよう。吠える吠える。でも、気合い入りすぎて空回りという悪い方向ではなく、良い方に作用していて。
相手がイタリアというのも良かったんだと思う。石川選手が10年プレーしてきた国だもん。
1セット…2セット…
勝てる。絶対勝てる。この状態の日本がここで負けるわけがない。
3セット目…
マッチポイントが来た。ストレート勝ちでベスト4なんて、最高のルートじゃないか!
でもここで油断できない。だってここはオリンピックの舞台。
というか、本当にもうここで勝って!もしこのセット取れなかったら、言いたくないけど嫌な予感しかないから!
えっ。
ええっ。
えええーーーーーーーー。
うわあああん。
5セット目で相手がマッチポイントを迎えても、「なんかもう怖くて見てられない!」とか言って画面から目を背けるのはやめようと思った。
むしろ、睨みつけるくらいの勢いでテレビを正面に見据えて、心の中で唱える。
絶対勝てる。絶対に勝てる。お願い、まだ終わらないで!
そして無情にも、最後のボールが日本のコートの中に落ちた。
★負けたら、解散。
私が思っていたよりも全然早く、オリンピックが終わってしまった。ボールが落ちた瞬間、泣いていた。
なぜ…。
内容的にも、なぜ負けたのか分からない。スパイクの決定率も良かったし、ディグの数も圧倒的に日本の方が多かった。しかも、長いラリーは大体日本の点になっていたように思う。
そんないい内容だったのに点数を離せなかったから…負けたのだろうか。
負ける時点まで、気付いていなかった。
負けたら、このチームは解散するのだ。
同じメンバーで集まってバレーをすることは、もう二度とない。
なぜか私には、とあるセリフが頭に浮かんだ。これは…何かのドラマか漫画で聞いたやつじゃなかったかな?なんだっけ…うーん…
のだめだ!
千秋が音大時代にシュトレーゼマンとの共演でラフマニノフの二番をやるやつ。その演奏が終わりに近づいているとき、千秋のモノローグでこの台詞が出てきたように記憶している。
いやでも、本当にそんな気持ちなのよ。もっと、今のチームでのプレーが見たかった。
技術面だけでなく本当に素晴らしいチームだったということが、試合後のみんなの様子を見ても分かる。
★感謝、永遠に
1晩寝ても、2晩寝ても、悔しさと悲しさと寂しさは変わらない。
でも、よく考えたら不思議なのだが、私は前まで「女子バレーのファン」だった。特に竹下佳江選手や高橋みゆき選手が活躍していた頃に熱を上げていた。女子は繋いで繋いで、多彩な技を繰り出す全日本の技術の高さに驚かされた。自分が大学でバレーをしていたので、プレイヤー目線からも熱狂できるのが女子バレー。
それに比べて男子バレーはさ…ダイナミックなのはいいのだが、サーブでドーン、スパイクでドーン!で点数入っちゃう。ラリーがすぐ終わってしまう。なんだか大味な感じ?そして、海外勢にボコボコにされて、「やっぱり体格さって大きいよね…」で終わり、みたいな。
そんな状況をここまで押し上げたのは、石川選手。
ダイナミックなプレー自体は変わらないのに、そこから繋ぐ!ブロックを使って点数を取る!相手の穴を狙う!低くて速いトスからのブロック完成する前に強烈なスパイク!サーブのレベルも高いのに、それをセッターにきれいに入れられるサーブレシーブ力。
日本だけでなく世界のバレーを進化させたんじゃないかと思う。言い過ぎ?
そして、それが一人だけで終わるのではなく、足並みを揃えていく日本チームのメンバーが揃ったからこその今だ。
本当に、心からチームジャパンメンバーにお礼を言いたい。
見ていて楽しい素晴らしい試合と大きな感動をありがとう!!!
4年後ってなんだかすごく遠い未来のようにも思えるけれども、また違う形で、チームで、バレーっていいなって思える試合を見せて欲しいなあ。
#教員エッセイではない
#パリオリンピック
#男子バレーボール
#石川祐希選手
#感動をありがとう
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