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#160(Re) 教員免許更新講習が楽しかったと思っている話

2024.2.5.
私は童心を忘れないいい歳の大人なので、夕飯前後に凍えるまで家の前に雪だるまを作って遊びつつも、明日の通勤大丈夫かなとか考えている。(というか、休校になってしまえと思っている。)

オレオとトマト


教員免許がなくても教員になれる制度まで出てくる今となっては、「教員免許更新講習」はもはや懐かしい話である。当時の自分の周りではめちゃくちゃ不評だったけれど、受けてみて気付くことが多々あった…という記事をどうぞ↓


◆◇◆◇◆◇


2022.10.3.
なぜか本日は中学校→塾のダブルヘッダー。なかなか思うようにいかない中学生の指導…知らない校舎で知らない子たちに教える算数…ちょっとヘビーな週の幕開け。

さて、表題の件について。
この記事は6月に書いた下書きから発掘↓

「免許更新制度は愚策!金かえせ!」
「結局は更新しない人が増えて、いざ仕事をお願いしようとした時に失効していて人手不足を加速させた!」
「管理しないと自己研鑽しないという性悪説に基づいた制度だ!」
話題に事欠かない教員免許更新講習の話。

題名の通り、実は私はこの更新講習が結構為になったなと思っている人なので(同じ気持ちの人ってどのくらいいるんだろう?)、どんな講習を受けたのか、なぜ肯定的な感想をもっているかについて書こうと思う。

【教員免許更新制度概要】
◆免許の有効期間は10年
◆2年間で30時間以上の講習を受講しなければならない
◆各自で必要な講習を選んで申し込み、受講する
◆全て履修したら、教育委員会に申請
◆証明書を発行してもらって完了
◆受講料は各自負担。(受講で30,000円、申請で3,000円程度)

私は、初任から5年目・6年目が免許更新講習受講→申請の期間に当たった。
だが、その時期にちょうど異動することになっていたので、なんやかんやで5年目は忙しく(本当かいっ)、何も受講しない状態で異動したのだった。

そして迎えた6年目(受講、申請締め切りの年)。

管理職「え?去年何も受講してない???これで受講とか申請ミスったら来年働けなくなっちゃうよ?」
普通に驚かれた。

こうなれば、同じ状況なはずの大学の同期を頼るしかあるまい!
年度はじめに、久しぶりに同期LINEにメッセージを入れてみる。
「去年全部取り終わったよー」
「みゃー、これから受講するの?大丈夫?」
「私はもう○○大学のやつ申し込んでるよ!というか人気のところはすぐに予約埋まっちゃうから調べたほうがいいんじゃない?」
えーーー
みんなちゃんと受講してるか予約してる!!!

急に不安になってきたな。
ということで、文部科学省HPに掲載されていた、めちゃ見にくーいエクセルの一覧表とにらめっこをし、ようやく予約が完了した。


ラインナップ↓
◆必修領域(6時間以上)
「学び直しの教育学」 @慶應義塾大学

まず、慶應のキャンパスに足を踏み入れたのが初めてで面白かった!そして1人1本ずつ配られたミネラルウォーターのペットボトルにも慶應のマークが入っているという…本当に、慶應の人は慶應が大好き!

免許更新講習のメモに、「免許更新講習制度って必要なのか?」っていうメモがあって笑った。



◆選択必修領域(6時間以上)
「専門家としての教師のあり方を問う」 @慶應義塾大学

この中の、教職をめぐる近年の状況変化とその分析、という、「教育方法学」という講座がとても面白かった!

日本の教員は、どのような仕事になっていくのか。岐路に立っていて、それについて教員の為に尽力してくれている人がいるということを初めて知った。
きっと大学でも受けたであろう「教育方法学」という学問。その存在がようやく自分に認識されたのだ。自分が外国の教育制度などについても興味があるのは、この分野への興味なのかもしれない。

後に右から2冊目を買って読んだ
参考文献を講義の部屋の前に並べてくれていた



◆選択領域(18時間以上)
「新学習指導要領に対応する小学校英語」 @千葉大学

これも面白かった!
人が言語を習得する過程から、小学校英語の学習について考える…というような内容。
あと、ワークシートに使うときのおすすめ書体も聞いた↓

日本語でいう「教科書体」と同じ原理で


「身体運動とスポーツの可能性を再発見する」 @千葉大学

座学は眠くなったところもあったが、実技で障害者スポーツをやったりしたことはとても楽しかった。

そして何より!
誰よりも早く昼前のレポートを書いて教室を飛び出し、片道徒歩15分かかる大好きな中華料理屋さんで、大好きな坦々麺を食べたことが一番印象的である。笑。



「一輪車指導者研修会」 @日本一輪車協会

えーっと、こちらはなんと、1日のほとんどを一輪車に乗っているだけで終了するというミラクル講習だった!
急に指導を丸振りされていた大学生の一輪車競技選手も驚いていたし、受講者であるこっちもみんな驚いた。。。

一輪車乗ってレポート出せば良いのだから、まあ、楽といえば楽。

あと、一輪車の新しい乗り方をマスターした。





以上、長ったらしい記事になってしまったが、自分の受けた講習を今一度思い出してみた。

感じたのは、物事には学ぶのに適したタイミングがあるのではないかということだ。
大学生の頃に受けてもピンとこなかった内容が、数年の実務経験を経て「あ、あれってこういうことだったのか。」とすんなり頭に入ったりする、ということが何度もあった。

子供の頃に嫌いだった食べ物が大人になって食べられたりするように、
これまで興味のなかったことが実は面白いと感じられるような日が来るかもしれない。
そういう意味で免許更新講習は、「今だったら食べられるかも」という経験ができる良い機会だったと思う。

だから、愚策どうのと盛り上がる(その気持ちもとてもよく分かる)人たちの横で、小さく
「でも、受けてよかったこともあったけどね。」
と呟くのである。



#教員エッセイ
#免許更新講習
#大人になって学び直す

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