見出し画像

#326 「谷川俊太郎/絵本百貨展」 言葉の力を知る

昨日23:55。記事作成が終わらず悪戦苦闘。そのタイミングでちょっと考え事をしていたら、まさかのまさか、気付けば時間が0:00に。これは…昨日分の記事である↓


2023.4.27.
本日は晴天なり。黄砂も花粉も少ないという。
朝から寝具一式を洗濯する(ウソ!洗濯してもらう…)ためにいろいろとひっぺがし、ついでに部屋の掃除をする。

今日は、立川でSAOちゃんとデートである。


本日のメインコンテンツはPLAY! MUSEUMで開催されている「谷川俊太郎/絵本百貨展」だ。

谷川俊太郎さんは、日本の詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家(Wikipedeiaより)。教員としても、何度も教科書で出会う詩人である。

皆さんが一番印象に残っている谷川俊太郎さんの詩はと聞かれたら、何と答えるだろうか。

私だったら…うーん、「生きる」かなあ。

生きる

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

これは確か光村図書の6年生で出てくる詩である。ストレートで緻密で、ただただ、すごい詩だなと思う。


展示は全て撮影OKだそうだ。チケットを買うと、受付でまずトイレットペーパーがもらえた。笑

どうやらペーパーに谷川さんの詩が印刷されているらしい!もったいなくて使えないな。


入り口近くにはまさかの車!50音の言葉遊び?みたいな映像で出てきていた「くるま」だった。

入るとすぐ、聞き覚えのあるリズムの良い詩が…けんけんぱになっている!笑
それも、ただのけんけんぱではない。

これら↓のカラカラ鳴るやつを持ってけんけんぱをしてねと。ひとりで来ていたらためらうけれど、今日はSAOちゃんいるので心強い!詩を唱えながら華麗にけんけんぱしてやった。


次へ進むと、「こっぷ」という本が置いてあった。

物語ではない。こっぷをきっかけに新しい世界と出会わせてくれるような本である。こういうものを「認識絵本」と言うらしい。私は物語絵本も好きだが、こういうものもそれ以上に好き。

この文章を読んだ時点で、「この絵本は買って帰ろう」と心に決めた。
近くには、こっぷをテーマにした展示が。

こっぷに捕まえられてしまった私


壁面や床、柱を利用して「ぴよぴよ」が展開されていた。これはこの後も会場のいろんなところで見られた。


お次はゴリラの後ろ姿が。ここには「オサム」という詩が。

「誰もがいい人だと言うが、オサムは自分がいい人だとは思っていない」というところが好き


とあるゾーンにはクッションと、周りに大きなスクリーン。クッションに身を委ねて、朗読とそれに合わせた可愛らしいアニメーションを鑑賞。空いているから超快適。

もこもこ


他にも、あの漫画「ピンポン」を描いた松本大洋さんが絵を描いた本があったり、自殺をテーマにした作品があったり…と、大満足の鑑賞だった。


そんな調子なので、ミュージアムショップでも目移りしてばかり。

ショップの中に、スイミーで有名なレオレオニさんのコーナーがあった。常設なのかと思ったら…レオレオニさんの本、訳しているのが谷川俊太郎さんだった!スイミーも、フレデリックも、アレクサンダとぜんまいねずみも。そうだったそうだった。


ということで、買ったのはこちら↓

こっぷの絵本、フレデリックのレターセットと壁に貼るステッカー、junaidaさんと最近作った絵本のポストカード、「朝のリレー」のポストカード。

朝のリレーも、とてもステキな詩だ。

 

 朝のリレー 

 カムチャッカの若者が
 きりんの夢を見ているとき
 メキシコの娘は
 朝もやの中でバスを待っている
 ニューヨークの少女が
 ほほえみながら寝がえりをうつとき
 ローマの少年は
 柱頭を染める朝陽にウインクする
 この地球で
 いつもどこかで朝がはじまっている

 ぼくらは朝をリレーするのだ
 経度から経度へと
 そうしていわば交換で地球を守る
 眠る前のひととき耳をすますと
 どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
 それはあなたの送った朝を
 誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ


今回の展示には、作者の経歴が書かれたものがなかった。(多分)
調べてみたところ、谷川俊太郎さんは10代の頃から作品を発表し、詩人として生きていくことにしたそうなのだが…。

言葉で食べていくって、すごいことだなと思う。

だって、言葉って人間みんな使うものだし。どのレベルまでのものができれば仕事にしていいのかなんてもちろん分からないし。それを…仕事に?

しかも絵本の場合は、最終的にはいろんな絵描きさんと一緒に絵本を完成させるのでもちろんステキな絵の入った絵本になるのだが…自分一人の段階ではただの言葉だけだ。

すごく作りたいものがあるとか、自分を信じる力が強いとかでないと、なかなか詩人として生きていこうとは決断できないように思ってしまう。
もう、そんな次元の考えじゃないのかな。


展示の題名横に、メッセージが。

美しいより、おもしろく。
意味があるより、おもしろく。

面白さファースト。

そういうところがすごく好きだと感じた展示だった。

7月まで開催しているようなので、ぜひ、行ってみてほしい。
ちなみにおすすめは、2人以上(体験型のものがあるので)で空いている日に行くこと。



帰宅すると、Xからのメッセージが。

自分でやるよ〜



#教員エッセイではない
#谷川俊太郎絵本百貨展
#意味があるよりおもしろく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?