#297 授業実践記録/スチレン版画(6年図工)・後半
2023.3.23.
卒業おめでとう!教員になってから恐らく初めてだった雨の卒業式。でもそんなこと関係なく、素直で可愛くてとても騒々しい教え子たちは、晴れやかな顔で巣立っていった。
では、前回の続き。
前半(全4時間中の1・2時間目)の授業
残念ながら焦りすぎていて、板書も場の設定も何ひとつ記録が残っていないという…。以下、確かこんな流れだったという記憶↓
①自画像がほぼみんな完成したね!どうだった?(大変だったというところで手を挙げる子が多数。楽しかったには数名。)
②今回と次回の4時間で図工はおしまい。この4時間で何をするかというと…「スチレン版画」だよ。みんなが5年生でやった木を彫ってそれを刷る木版画のスチレンボードバージョン。
③版の作り方を例示。書画カメラを使ってフォークや竹串でスチレンボードに傷をつけていく様子を見せる。
④刷り方の例示。1つのテーブルに押し合わないように子供たちを集め、目の前で私がやってみせる。刷ってみて実物を見せると、小さくだが「おお〜」というリアクション。
⑤見通し提示。だいたい今日で版を作り終わり、次回で刷る。今日は版を作るがメインだが、お試しで刷ってみてどんな感じの版ができているか確認しながら進めるとよい。
⑥材料の配布。スチレンボードは1人1枚。版に傷をつけるものセット(竹串など)は、いくつかをお盆の上にセットして、テーブルごとに配布。
⑦場の説明。図工室後ろに刷るスペース。色画用紙置き場など。
さて、これらのことを説明してどうなったかというと…みんな楽しそうに版を彫っている!
ここで問題発生。私が「今日は版を作るのがメインだが、お試しで刷ってみるとよい」という説明をしたところ、最初に配られたスチレンボードは練習用だと思う子が1組で続出。
実はこのボード、1人1枚しか買ってないの!
と伝えると、みんな「えっ」と驚き顔。中にはもう「うんこ」という文字を彫ってみてしまったという子も。結局、どうしようもない子には裏面も使ってみようとか予備をあげたりなどして対応。
いや、そもそも、1人2枚ずつ購入するべきだったな!
そんなこんなで1、2時間目終了。気付いたことは…
「意外にみんな早く出来上がってしまうかも」ということだった。
確かに、ボードに傷をつけて刷るだけであれば30分以内に作り上げることは可能だろう。実際、「先生!できた!これで終わり?」みたいな子が1人いて、それでいいのか…?もっと試行錯誤してみて欲しい。
後半(全4時間中の3・4時間目)の授業
ということで、今回伝えたいのは「試行錯誤する」ということ。教室に子供たちが入ってきたら、まずは前回作った版や試しで刷ってみた画用紙を手元に持って来させる。
みんな、「試行錯誤」って知ってる?
と聞くと、色々考えること…?というような答えが返ってきた。そうそう。色々考えて、試してみること。失敗もしていい。それが図工ではとっても大事。
『私が昨日、実際に「試行錯誤」をやってみた!』
という動画を見せた。
こんな感じの動画を見せた。前日、スマホの自撮りしたものだ。時間がかかるのでタイムラプスで撮影。でも、それだと一瞬で終わってしまうので、そのタイムラプス映像をiMovieに入れてスロー再生にしてみた。
なんと、そうするとコマ撮りムービーのようになるのだ!!!
そこまで見せて、実際の作品を黒板に貼ってみた。
グラデーション画用紙の作品を見て、とあるお騒がせ男子が「ええやん!」と言っていた。嬉しい。
と、ここまでを長くなりすぎないように説明して、個別作業開始。今回は刷る場所を増やしてみた。
そしたらなんとなんと、結構いろんな子が「版への模様の付け方」「版自体の形」「どの色画用紙を選ぶか」「刷ったものをどう並べるか」などを考えて作業してくれていた!(ように見えた!)
かくして後半の授業は、瞬時に終わらせる子があまり出現することなく終わらせることができた。一応、早く終わった子への課題も準備した。
6年生の全授業、終了。
その日の振り返りには、なんとも嬉しいコメントが。
「6年間で1、2を争ういい作品ができました!」
「工夫するってどういうことなのか分かりました。」
「インクの量を間違えてうまくいかなかったけれど、画用紙の使い方は工夫することができました。」
「今日は、しこうかくごをしてみました。」←誤字だけども!笑
もちろん雑に終わらせてしまった子もいるし、こういうのが全員というわけではないのだが…作品もなんだかいいものがたくさん。
これをただ担任経由で返してもらう…って、もったいない気がする〜〜〜!
1日だけ玄関にゲリラ展示した。
朝からいろんな学年の子達が集まって見てくれていた。
朝から掲示ボードに貼って2階から降ろして、帰りには取って帰ってもらった。ムダか?ムダじゃないか?そんなの分からないよねえ!
少なくとも私には記憶に残る授業だったなあ。