BOOK:マンガ日本の古典 太平記
さいとう・たかをさんの「太平記」。中公文庫のマンガ日本の古典シリーズ。
南北朝時代に…というか後醍醐天皇に興味があったので買いました。
1318年〜1368年頃までの約50年間の出来事を、応安年間(1368年〜1375年)に複数の人の手によって描かれ、成立した物語のようです。出来事が起きた年代と、物語が描かれた年代に、それほど差がないのが特徴的です。
時代自体が混沌としていて分かりやすくないですし、戦い自体も分かりやすくヒロイックなものでもないので、盛り上がりに欠けると思われる方もいらっしゃるかもしれません。ヒーローと言えば楠木正成になると思いますが、それでも、他の年代のヒーロー的な人物に比べると地味かもしれません。
でも、太平記の面白いところは、その混沌と、様々な立場の人間の駆け引きとか人間模様の曼陀羅だと思います。その物語を、さいとう・たかをさんの味のある劇画で読めるのは嬉しいですね。
戦乱と混沌の真っ只中の時代なのに「太平記」。
過ぎた時代に対する鎮魂の意味も込められているという一説もありますね。
あと、この時代って日本史の中でも結構特殊な時代(天皇が2つに分かれて戦うところ)だと思うのですが、教科書では余り重要視されません。
日本の戦後の教科書は基本的にGHQ観点が多分に含まれていますから、「教科書では余り重要視されていない」部分って、実は意図的に短縮されていたりしますので、そういう意味で南北朝とか、近代とか、意識的に学んでいきたいと思います。
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