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BOOK:「海の翼」

秋月達郎さんの「海の翼」。PHP文芸文庫。
明治時代、和歌山県の串本沖に浮かぶ紀伊大島の嵐の海で起きた「エルトゥールル号遭難事件」。日本の皇族がオスマン帝国(現トルコ)のコンスタンティノープル(現イスタンブル)を訪問したことに応える形で、オスマン帝国の使節団が軍艦エルトゥールル号で日本に訪問。その帰途で起きた遭難事故で、500名以上の犠牲者を出しました。お互いに言葉もわからない状態でしたが、地元の人たちの懸命の努力で生き延びた使節団の人々がその出来事を後世に伝え、100年後、イラン・イラク戦争の最中にイラクに取り残されて窮地に陥った日本人を、日本政府ではなくトルコ政府が救出する。「エルトゥールル号の恩返し」だと・・・
時を超えた人々の想いに胸が熱くなる、とても素晴らしい作品です。

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この話は内野聖陽さん主演の「海南1890」という作品で映画化されています。
異なる国の人々が交流する際の、本当にあるべき姿を、この作品を通して感じることができると思います。

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