民主主義の勝利?
21日に、イラクの首都バグダッド中心地のスーク(いわゆる「中東の市場」)で、2件の自爆テロがあり、 現時点で死者32人、負傷者110人が確認されているとのことです。
2018年に私が”某国”に来てから以来、恐らくバグダッドでは最大規模のテロになります。犯行声明はないものの反抗手口からISによるものとみられていますが、まだ混乱の最中でありまともな情報は入ってきていません。
2014年に突如勢力を拡大し、一時はイラク正規軍を一蹴しバグダッドに迫る勢いだったISですが、その後はイラク国内の民兵組織や有志連合の支援もあり、既にイラク国内では”領土”を完全に消失しており、最近は西部から北部地域で散発的なテロを起こすのみで、首都バグダッドでの活動はあまりありませんでした。
最近のバグダッドの「テロ」とは、ISによる無差別なものではなく、イラク国内の親イラン系民兵が、イラク国内にいる米軍(※)の撤退を要求してバグダッドにある米国大使館があるグリーンゾーン(各国大使館等が存在するエリア)に向けて実行するものが多く、民間人の死傷者が出ることは稀でした(巻き添え、はありますが…)。
※そもそもイラク国内に米軍がいるのは、対ISのためですが、イランに対する牽制とも位置づけられています。
アメリカでは民主主義が勝利したようでですが、さてそのアメリカの民主主義に敗北した地域はこうなっているわけで…
中東に携わっていると「民主主義の勝利」という言葉にはどうもいいイメージがもてませんね。
"A citizen of America will cross the ocean to fight for democracy, but won't cross the street to vote..." - Bill Vaughan
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