劇団献身 第12回本公演『怪童』
劇団献身 第12回本公演『怪童』
@OFF・OFFシアター
2019年2月6日〜13日
2/9 18:00〜の回を見た!
※ネタバレしかない
生まれた時からしゃべれてとんでも知能を持っていた女の子が、人里離れた山の中でヒッピーの汚いおっさんに育てられ、なんやかんやM-1の審査員をやったりSMAPと共演したりする売れっ子になり、結婚し子供を産み、死ぬまでの一代記。
馬鹿馬鹿しくて良い!!!!
でも、しっかり感情移入できるドラマもあり、馬鹿馬鹿しいだけで終わらせない意思のある脚本も良かったし、役者さんたちも素晴らしい演技でそれを支え。劇団献身さんの流儀がしっかり感じられるめちゃくちゃ良い公演。楽しかったー!
3秒に一回放たれるギャグを武器に壮大な物語を立ち上げる...って劇団の説明書きにもあるけど、このギャグのクオリティがとんでもなく、、、、、低い!低すぎて!勢いでいったれーっていう力技で!笑笑
でも、だから悪いとかじゃなく。物語に自分が入り込んでいる中盤から終盤にかけては、こっちまで献身さんのペースに取り込まれて頭悪くさせられてるしなんでも受け入れられるようになってるもんだから、なんでも面白くなっちゃって一人で席でマナーモードになるしかなかった。そのくせタチが悪いのは、マナーモードになった頃にいい台詞、切ないシーンが始まるところ。
子供の頃は、もののけ姫みたいなとんでもない生活してて勉強も運動も良くでき、怪童と呼ばれたユリカ。いつのまにか、早めの思春期を迎えた息子とそれを叱る旦那の間で悩む妻、なんてありきたりな人生になってて。自分の辿ってきた道筋を思い出してみても、いい思い出ばっかりじゃなくて。その当時は当たり前だった日常も夢も希望も、今では手の届かないところにあって、後悔と遣る瀬無い気持ちで押し潰されそうになったり。でも、思い出は輝いてて。
思い出を心底大事に抱え込んでいる、ユリカもジジイもオサムも、見てて本当に苦しくなる人物たちだけど、同時に、愛おしくて仕方なかった。
呆けちゃって、45になったユリカを認識できず、小学生のユリカの影を追いかけ続けるジジイが未だに「ユリカに誘われたんだよ、卒業式。親父ヅラしていくんだよ」って語るのなんか、たまったもんじゃないね。ユリカは小学校最後まで行けなくて中退で、それと同時にジジイとも一緒に暮らせなくなったのにね。たまったもんじゃねえな!!!なんでこうもうまくいかないかな!????
好きなシーン多すぎて書ききれない....ってか、てかてかてか、これで3000円!???なんてお値打ち価格!!!!みんな行こうね!!3000円だよ!!安いよ!!ペア割つかえば下北沢最安値で見れるよ!!!
これは私の晩御飯。和-nagomi-さんの鍋焼きうどん。うまい。プラス300円であんみつも食べた。うまい。
閑話休題。
にしても、役者さんも良かったな。柿喰う客の長尾さんは、登場からずっとパワフルで体の使い方も声も表情もいいし、柿の役者さんやっぱ好きだーーーー!って思ったし、
今回に関しては個人的に、田島さんの一人勝ち。肩が痛いの一点張りのキャバクラ店員、笑いの沸点低いの一点張りの役所の人、どっちも脱力感と力技感がすごく好き。身長高くて顔もそこそこいけてて低くていい声持ってんのに、なんたる、無駄遣い、、、でもそこがいい!劇団スポーツ見にいくしかない。
奥村さんの演出も良かったし、またゴジゲンも見に行きたくなった。いま、同時期に本多劇場で『みみばしる』もやってるっていう激アツ展開だし、行きたくなっちゃったなー。
演劇楽しい!たくさん見よ!
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