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挫折という名の経験。
心が死んでいく、そんな感覚。
研究生活が始まって半年。
私は、俗にいう”挫折”に面している。
私のこれまでの人生は、大抵が努力で何とかなってきた。
努力することを、別に苦だとは思わない。
やればやるだけ成果が出る勉強が好きだった。
頑張れば頑張るだけ記録が伸びる持久走や、
練習すればする分だけ上手くなる楽器も、
大好きだった。
でも私は今、人生で初めて、努力の仕方がわからない。
研究は頑張ったところで、何も成果が出ない時もある。
特に生物を扱う私の研究では、それが往々にしてある。
頭ではわかっていても、辛いものは辛い。
同じ時期に研究室に入った同期は、
与えられた研究テーマが進みやすいものだったこともあり、どんどん私を置いて先に進む。
入りたてで何もわからずこのテーマを選んだ自分の引き運を悔いることもあるし、
思い通りにできない自分の不甲斐なさと、
どうしても同期に妬みを感じてしまう自分の惨めさに嫌気がさす。
頑張り方がわからない。
いくら美味しいものを食べたって、
好きなところに行ったって、
自分の機嫌を自分で取るのには限界がある。
潰れてしまいそう。
でも幸い、私は、周りの人には恵まれている。
辛いと口に出したとき、
話を聞いてくれる人がいる。
どうしようもなく涙が溢れたとき、
側で見守ってくれる人がいる。
そんな人たちに出会えただけでも、ここに来て良かったと思う。
この挫折の乗り越え方は、まだ分かっていない。
しんどいのはまだ変わらない。
でも、いつか、ここを振り返った時、
ああ、こんな時もあったな、って、
これも、私の人生を彩る経験になった、って、
そう言えるように、
今はこの場所で、精一杯、もがいてみようと思う。
ここが、世界のすべてじゃないんだから。
もう少し心を軽くして。
ひとつひとつ、目の前のものに向き合ってみよう。
柚。