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年間1000人以上を審査・選考して

芸能プロダクションを運営していると
様々なところから
「新人の審査、選考をしてください」
という依頼がきます。

その中には
「コンテストの審査員をして欲しい」
という案件もあれば、
「選考して、Find Productionに入れてやってください」
という案件もあります。


私は年間
1000人以上の人を審査、選考してきました。


特に
芸能の専門学校や大手プロダクションの養成所に通っている人の審査の時は、
一気に200人を審査しないといけないこともあり、
随分と神経を使っていました。

正直、
200人みて
「いいな」
と思える人が1人いればいい方で、
あとは5人程度、
「もう少し話して、気になるようになるかも」
と思えるかどうかくらいです。


専門学校によっても
生徒の育成方法が様々です。

しっかり現場を見据えて育成しているところもあれば、
カリキュラム的に授業をこなしているだけのところもあり、
教えてもらう講師によって、
生徒の質も様々でした。


「特技はフラダンスです!フラダンスを披露します!」
を意気込んでアピールされても、
「何を審査するんだよ??」
「フラダンスをどこで使うの??」
と頭をかしげるばかりで、
生徒にとって、
『通った2年間が意味のある時間だったのか』
心配になることも多々ありました。


専門学校や養成所で審査をして、
弊社が関わらなかった人が
その後どうなったのかは、誰一人知りません。

「あー!この人、審査した人だ!」
と思い出せる人は、誰一人いないのです。

つまり、
「審査して印象に残っていて、世に出た」
という人が誰一人いない
ということなんです。

当然、
審査後に芸名を変え、
髪型などの容姿が変わったらもうわかりませんが、
「あの時の人」
と噂で聞くこともありませんでした。


あの大手お笑いプロダクションの養成スクールも
「毎年1000人が入学して、1年間で1組 売れるコンビが出ればOK」
と言われる程で、
世に出ることの難しさを本当に思い知らされます。

私自身が審査員となり、選考をして
Find Productionで育成することになって、
「うまくいった人」
もいれば
「うまくいかなかった人」
もいます。


その違いはなんだったのか。


いろいろな要因がありますが、
やはり
「本人が頑張れるかどうか」
だったように思っています。

⇒ 小説『地図を探して』:目次はこちら

※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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