当たり屋 クレーマー
芸能プロダクションを運営する
タレントのマネジメントをする
にあたって、
一番大切にしなければならないものが
『応援してくださるファンの方』
ですが、
ファンの方とのやり取りも
本当に大変なものでした。
これからいくつか紹介していきますが、
今回は
『当たり屋 クレーマー』
に関してお話していきます。
まず
●当たり屋
故意に交通事故を起こして、損害賠償を請求しようとする者のこと。
●クレーマー
言いがかりと思われるようなクレームをつけたりする消費者
という言葉の意味を
まずは知っておいて頂こうと思います。
この
『当たり屋』と『クレーマー』がコラボレーションしたようなファンの方がいました。
具体的にお話しましょうか。
所属アーティストのライブを行う際、
『禁止事項』
というものがあります。
例えば、
『無断で撮影・録音をする』
などです。
これは、
Find Productionのみが禁止していた訳ではなく、
ごくごく一般的な禁止事項です。
また、
このコロナ禍になり
『プレゼント』や『差し入れ』も禁止となりました。
これも
Find Productionのみが禁止していた訳ではなく、
ごくごく一般的な禁止事項の一つです。
しかし、
この禁止事項に嚙みついてくるファンの方がいるんです。
Find Production所属のアーティストが出演するライブイベントの時、
そのライブ主催会社が
『禁止事項』
というものを
ライブ概要ページやチケット販売ページに記載していました。
その中に
『アーティストへのプレゼントは禁止です』
という文言がありました。
私達は
『ライブイベントに出演させて頂いている立場』
です。
ライブ主催会社が決めた禁止事項は、絶対に守らなければなりません。
Find Productionが禁止事項を決めた訳ではないのです。
しかし、ライブ当日
どうしても
『Find Production所属のアーティストにプレゼントを渡したい』
というファンが会場に来られました。
そのファンの方は
会場スタッフを通じてマネージャーの私を呼び出し、
「このプレゼントをアーティストに渡して欲しい」
と言ってきました。
私は受け取る訳にはいきません。
なぜならば、
ライブ主催会社との契約があり、
『プレゼントの受け取りは、禁止されているから』
です。
丁重にお断りさせて頂きましたが、
そのファンの方はマネージャーの私に断られてから
会場スタッフに
「これをアーティストに渡してください！」
を無理やり渡して帰られたのです。
それを聞いたイベント主催者は激怒し、
その怒りは
Find Production所属のアーティストに向けられました。
当然です。
『NG行為をアナウンスした上で、守らないファンを抱えているアーティスト』
という扱いになってしまったからです。
その結果、
次回以降
Find Production所属のアーティストが
そのライブに出演させて頂くことはなくなりました。
主催者側からすれば当然です。
『禁止事項をする人（ファン）を抱えているアーティスト』
という認識になってしまったからです。
毎回出演させて頂いていたライブだったため
「なぜ？」
と思われた方も多かったのでしょう。
主催会社が
「アーティストへのプレゼントは禁止です。
ルールを守れない方がいらっしゃったことに、大変残念に思いました。」
と公式で発表されたので、
気づいた方も多かったのではないでしょうか。
さらにこのファンの方は
出演しなくなったことに対して、
主催者側にクレームを入れたので
これもまた大問題になりました。
その後も
Find Production所属のアーティストが出演しないことがわかった上でライブチケットを買い、
ライブ当日に
「Find Production所属のアーティストが出ないなら、返金しろ！」
とクレームを入れてきたらしいです。
これ以外にも
この当たり屋 クレーマーには
本当に頭を抱えさせられることをされました。
ファン心理の中で
『特別になりたい』
という想いが
『私をもっとみて』
という想いからクレーマーになり
『どうクレームをつけるか』
という行動に変わっていったように
私は思います。
このようなファンの方に
Find Production所属のアーティストが潰されてしまったことを
本当に残念に思うと同時に
今でも憎らしく思っています。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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