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夏休みの読書感想文⑥|人間臨終図巻 1

32歳になりました。

夏休みの読書感想文①で読んだ
『やらないことリスト』の著者が、
「自分の誕生日になると自分の年齢のページを読み返す」本として紹介していたもの。

『人間臨終図鑑 1』著者 山田風太郎

15〜49歳で死んだ人々にはどんな人がいて、
どのように死んでいったのかを一人一人まとめている

自分の誕生日が近かったこともあり、
せっかくなので自分も読んでみることにした。

32歳で死んだ人のページまでを読み終えた感想。

今は、昔に比べると

“ただ生きるだけ”ならその難易度は下がってる

代わりに、

”生きることの満足感”を感じる難易度は、
かなり上がっているのかもしれない。

昔の人は死が身近だったと思う。

病気、戦争、信仰や表現の不自由による弾圧、、

今の時代では理不尽だし、あり得ないと思う死も
昔の人にはありふれたものであり、日常だった。

それに比べたら、今は死ににくいと言える。

もっとも印象に残っているのは、

17歳で死んだ藤村操(ふじむらみさお)が死に際に残した言葉、

悠々たるかな天壌、悠々たるかな古今、
五尺の小軀をもってこの大はからむとす。
ホレーショの哲学ついに何等のオーソーリチーに値するものぞ。
万有の真相は唯一言にしてつくす。
曰く『不可解』 我この恨をいだいて煩悶ついに死を決するに至る。
すでに巌頭に立つに及んで胸中何等の不安あるなし。
初めて知る、大いなる悲観は大いなる楽観に一致するを

巌頭の感

最後の、

初めて知る、大いなる悲観は大いなる楽観に一致するを。

の部分。

「大きな悲観は、大きな楽観と同じだということを私は初めて知った」

なぜか自分にはすごくしっくりきた。

すごく悲しかったり不安だったりして、
最初は涙を流したり落ち込んだり誰かに当たったりして感情を爆発さることもあるんだけど、

徐々にそれに耐えられなくなってくると、

なんかもう、どうでもいいや。

って気分になってくる。

自分もどうでもいいし、世界もどうでもいいよ。

みたいな。

これって脳がそうさせてるのかな。

もうこれ以上のストレスは危険だから楽になりなよっていう防衛本能てきな。

でもそれが回り回って

自分の命なんてどうでもいいや。

って方向に行くと、人は死ぬのかな。

この藤村操は、学校の先生に叱責されたことで自殺したらしい。

先生に怒られたから死ぬ…

って、その時の様子を具体的に知れるわけではないから

そんなことで?って思っちゃいたくもなるけど

本人にとってはとても辛いことだったんだろうな。

私が大学3年生の時、

同じサークルの同学年の友人2人が付き合ってたんだけど、

2人の間でトラブルがあったらしく

彼氏の方が自殺してしまった。

22歳とかそこら。

人が死を選ぶ理由は人それぞれだし
人が生きる理由も人それぞれ。

ただ、身近な人が亡くなったその時に

私は初めてと言っていいほど死をより近くに感じたかもしれない。

祖父など、自分と年齢の遠い人が亡くなることはあったけど、

自分と同じ時間を同じだけ生きて、一緒に遊んだり笑い合ったりした人が突然死ぬなんて、想像もしてなかった。

彼と交わした最後の一言も、その姿も、死んだと聞いた日のことも、ありありと思い出せる。

私はどんなに考えても、彼が死を選んだ理由がわからなかった。

昔は、そもそも生きるって難しかった。

今はどっちかというと、

生きることが苦しいとか難しいと感じた時に

それでも生き続ける理由を、
自分の力で見つけなければいけないことの方が、難しいのかもしれない。

自分はいまその難しさを身にしみて感じていて、

毎日、「難しいなぁ〜」って呟いてる…

今、

ふと思ったけど、、、

大学受験の時も、
社会人になって営業の仕事を始めた時も、

「自分の力ではわからない」「難しい」と思ったら
とにかくインプットしてたなあ

特に、本からのインプットがメインだった

大学受験のとき、
毎日のように本屋に行っては参考書を読み漁ってて、
机の上に本が積み上がっていくのがなんだか楽しかった記憶がある。

営業を始めたときは、
営業の極意みたいな本とか、どうやったら人の心を動かせるかみたいな心理学的な本とか読んでた、、

人によっては信頼できる人に相談するとか、

とにかく思考を書き出してみるとか、

壁にぶち当たったときに起こす行動は人それぞれなんだろうけど

自分は何かにつまづいたり目の前の問題を解決したいと思ったら真っ先に浮かぶのは「本」だなぁ…

あ。

だからこの夏、本いっぱい読もうって決めたのか!!!!

なんか夏っぽいことしたいな〜。

っていうただの気まぐれから始めた夏の読書感想文だったけど、、

無意識に、
32年生きた自分が経験してきた問題への対処法で、
今目の前にある問題(これからどう生きていこうか…というモヤモヤ)を解決しようとしてたんか!

(人間の脳って賢いな、、)

だとしたら10冊くらい読み終わる頃には、
何かしらの示唆が得られるといいな

今、部屋の隅に順調に本積み上がってるし。

せっかく、自分は32年も生きて来れたんだから

ただ生きるだけなら、昔と比べたら簡単なんだから

自分が満足感や納得感を得られるような何か。

とりあえず今まで通りひたすらインプットして
ひらめきの瞬間を待ちますかね。

ちなみに…
「32歳で死んだ人」に書かれていた冒頭2人は

イエス・キリストと、坂本龍馬でした。

えぐすぎ。笑

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