映画感想「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」
みなさんこんにちは、日なたの窓です。今回は、「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」を観てきたので、感想を書こうと思います。
前作は去年の11月ごろ、友人の家で観ました。
人間関係や社会のせいで、徐々に主人公がジョーカーへと変貌を遂げていくというストーリー、狂気の主人公を見事に演じ切ったホアキン・フェニックスは素晴らしく、ジョーカーをどこか他人事とは思えなくなる感覚になりました。
とてもいい作品で、冒頭だけ見る予定が、結局全編見てしまいました。
以下感想(本編の内容に触れます)
全体的な印象として、自分にとっては少し物足りなかったです。
ミュージカルパートについて
最初に、そもそも自分にはミュージカル映画を楽しむ素養がなかったことです。レ・ミゼラブルやララランドという映画がヒットするなか、いずれも見なかったため、本作が自分のミュージカル映画初体験となりました。前作と異なり、本作がミュージカル調になるという触れ込みで覚えた不安が、そのまま感想となりました。
また、ミュージカルパートは感情表現の増幅装置でしかないのだと感じました。ミュージカルパートでは主人公とヒロインの二人の世界で終始していたと思います。前作の、社会がアーサーに、ジョーカーが社会に影響を与えあう構図を期待していたため、その点で物足りなさを感じました。
ヒロインについて
主人公に会うためにわざと病院に入り、身の上を偽って親交を深めていくなかで、アーサーではなくジョーカーを愛していることが透けて見えるようになっていくキャラはよかったです。しかし、目的が「山をつくる」と言って、結局ジョーカーと暮らしたかっただけというのは、ジョーカーを誑かし利用して世界をめちゃめちゃにする、という目的を期待していたため、少々肩透かしだと感じました。また、ヒロインの内面を深掘りする場面も少なかったように感じました。レディ・ガガが演じる、目的と内面に深みがある、圧倒的なファム・ファタールが見たかったです。
外の世界の描写の不足
ミュージカルパートに時間を割いたため、主人公とヒロイン以外の、特に病院と裁判所の外の人たちが、何を考えているかほぼ伝わりませんでした。そのため、裁判所の爆破シーンと主人公が刺されるラストシーンの唐突さを覚えました。物語として、転と結の部分に説得力がないのは残念でした。
よかった点
前作に引き続き、ホアキン・フェニックスの演技は素晴らしたかったです。
好きなシーンは、隣人の女性が証言するシーンと、小人症の元同僚が証言するシーンです。主人公が自分の悲劇的な人生を振り返り、もう一度ジョーカーになることを決め、しかしそれも上手くはいかず決意が揺らいでいく様に見入りました。
終わりに
自分的今年No.1期待作でした。自分の中の評価は、事前にインターネットで見た評判と同じくらいです。映画の内容と自分が欲していた内容のミスマッチがあったように思えます。
これからで期待している映画は、チェンソーマンの映画と、ジョン・ウィックシリーズのスピンオフ「バレリーナ」が楽しみです。
それではまた