映画感想「オアシス スーパーソニック」
9月のある平日、偶然予定が合った悪友の一人と映画を2本観ました。そのうちの1本。
自分がオアシスの軽めのファンを1年ほど前からやっていたところ、オアシスが8月末に衝撃の再結成を発表、それを受けての再上映で、観ないわけには行かなかった。
本作は90年代のブリットポップを象徴するロックバンドであるオアシスの、結成から25万人を動員したネブワースでのコンサートまでを追ったドキュメンタリー。
以下感想(ネタバレを含む)
やっぱり本作の大半は、ノエルとリアムのとんでもないエピソードの数々。クルーズ船で乱闘騒ぎを起こしてノエル以外のメンバーが強制送還、Supersonicをメンバーが中華を食べに行った間に書き上げるノエル、ライブ中に隠れて覚醒剤をキメるリアムなど。自分が1番気に入ったのは、ノエルがアメリカツアー中に全てが嫌になってサンフランシスコの女の家に逃げる話でした。これらのゴタゴタを、メンバーやスタッフの証言で振り返りながらオアシスの歴史をたどるのは、とっても楽しかった。
喧嘩、ハッパ、コカイン、ドラッグ、失言、暴言は枚挙にいとまがない。しかし、映画の中ではこれら全てが、ロックンロールの名の下に全て輝いて見える。法的、倫理的、社会通念上アウトなあれこれも、彼らだからいいやと受け入れてしまうのはちょっと悔しいが、それはオアシスだからこそなのです。
オアシスが、メンバー間のいさかいやメンバーの不調、父親との確執などの障壁にぶつかるたびに、人気、音楽の才能で乗り越えてスターダムを駆け上がる様はまさにスーパーソニック、観ていてとても気持ちが良い。
最後に、オアシスの行末を暗示するようなラストは、Champagne Supernovaとの取り合わせが盛者必衰の意味合いを増幅させた絶妙なビターエンドとなっていたように感じました。
鑑賞後には、漠然とした、ロックスターへの憧れの気持ちが心にありました。他人に左右されず、自分のいいように生きたい。I need to be myself とは、まさにこのことか。
本作は、オアシスに対する興味を加速させるファッキンいい映画でした。再結成もあってオアシスに触れる機会も多くなっている今、彼らの曲をいくつか聴いて興味を持ったのなら、おすすめしたい。むかつく兄や、くそったれな弟がいる皆さんは、是非とも一緒に見てください。