【キミの目を見て話せない】こそコロコロ最強のラブコメ漫画。令和キッズを清く正しいラブコメへ導く光がここにある
好きがバレるのは恥ずかしい?
好きなものを好きだと言うのはもっと恥ずかしい?
いいや、どんなに茶化されようとも「好き」がブレない姿はかっこよくて、眩しい。
好きな子の目は見て話せないが、好きであることに対して嘘はつかない。この誠実さだけが令和ラブコメ界で覇を唱えられる。
これがなにを意味するか分かるか?
そう、その通りだ。
【キミの目を見て話せない】こそが現代最強のラブコメ漫画であるということだ。
人よ、【キミの目を見て話せない】1巻を買え。2024年4月26日に発売だ。
かつて、まだこの作品に私の心を全て奪い去られる以前の話だ。
その時は小学生向けのジェネリック【からかい上手の高木さん】だなあと感じ、読んでいた。
あくまでもうんうんこういうラブコメはこういう空気感が良いんだよなと。暴力も下ネタもないからコロコロらしくないけどこういうのいいよなと笑顔で読んでいた。
綺麗にまとまっている優等生らしさ溢れるラブコメマンガであったが逆に言えば私の中で優等生の域を出なかったとも言える。
しかし、その浅ましくも脆弱極まりない思考は第16話「好きの第一歩」で木っ端微塵に粉砕される。
私が真に【キミの目を見て話せない】の神威に触れ魂を高みへと連れていかれた要素、それは「なぜ好きになったのか?」の理由にある。
あまりにもささやかで愛おしい、日常の些細な延長戦上に小さな奇跡は存在する。人は人をこんなにも他愛ない理由で好きになる、好きになることができる。綺麗だと思ってなかった虹だって綺麗に見える。
そんな人間という生物の美しさ、穢れなき光に心打たれたのだ。
もっと言えば16話をもってして、この作品は真髄を発揮するようになったと言っても過言ではない。
なぜならば好きのきっかけが些細であればあるほど、2人だけの世界であればあるほど1話にて開示されている世界観が光るからだ。
そう、黒田くんが赤嶺さんのことが好きなのはみんな知っているという設定がここで輝く。
例えば黒田くんが赤嶺さんのことを好きになったエピソードはクラスのみんなが知っている出来事であったとしよう。であれば黒田くんが赤嶺さんを好きであるということをみんなが知っているという事実に対しての裏付けにもなる。だがそうではないのだ。
あくまで赤嶺さんと話している時の態度や表情、それら全てをひっくるめて黒田くんは分かりやすいから好意も周囲から見てわかりやすいという話だ。
この創造神TRUTH先生のありがたく光あるお言葉が見えるか。こんなにもこの世界が美しいわけだ。
この辺りの話は1巻には収録されていない。2巻は2024年初夏に出るとのことだ。私は夏までの生きる原動力を与えてもらったというわけだ。
やはり令和の世を制するものは【運命の巻戻士】のクロノや【カシバトル】のチョコのようなどこまでも底抜けに""""光""""な男主人公なのだ。
黒田くんも確実にその系譜である。好きなものを好きであると言うこと、そして好きなものに対して恥じらいを持たないこと。
17話で親友の須部くんに見せた光の笑顔がその全てを有していることを証明している。ここまでまっすぐだともう何も言えんよってレベルまで行ってくれるから全幅の信頼を置くことができる。
「好きなものは好きだから」と男子小学生にしてこの返しはあまりにも光属性の要素を極めすぎている。
この黒田くんを「かっこいい」と心から思うしここにはコロコロらしい最高のかっこよさを抱いているのが最高だと声を大にして伝える。
非常に光ポイントの高い点として好きに対して「ひっくり返らない」という言葉を使用しているところにフルパワー好感が持てる。
オセロをやっているからというものもあるだろうがここで「嫌いにならない」といったネガティブ寄りの言い方をしなかったのがあまりにも人格の強さと良さを後押ししている。
こういう誰も悲しい気持ちにならない言葉つかいから非常に気の使われている優しい世界を構築しようとしていることが伺える。その時のハイパー笑顔も非常に清々しく眩しい。
そしてこの展開だからこそ、1話に開示されて久しかった設定が生きる。そう、クラスのみんな黒田くんが赤嶺さんのこと好きなんて知っているという話だ。
親友の須部だけが知っているわけではない。恥ずかしいという感情も持っている。その上でやっぱり赤嶺さんのことが好きだしその気持ちは簡単にはひっくり返らないと言っているわけだ。
これほどまでに眩しい男、まさかこんな爽やか見透かされからかわれ系ラブコメで突然吸引できるとは全く思っていなかった。だからこそ強く染み渡った。
名前が「黒」で家がコウモリマンションの近くと闇属性を意識させるような要素があった上でのこの光属性なのでギャップも抜群だと。
周りになんと言われようと好きなものを好きだと言えるそのスタンス、絶対にぶれない芯というものはそれそのものがかっこよい。
そう、前述した圧倒的な光属性に加えてこの裏表のない好きにもまたコロコロらしさが宿っており読んでいて熱くなれるのだ。
デュエマやベイブレードなど週コロでも連載しているホビー漫画などこれらの要素はとても顕著である。
例えば勝ちゃんはデュエマが大好きだし周りの大人が悪いことを企む道具に使ってもやっぱりデュエマは楽しいし最高に大好きという芯がぶれないから良い。
風見バード(特にアニメ版)だって一度も勝てていないけどベイブレードが好きだしペルソナのメンバーも大好きだから諦めず戦い続けている。
それと同じだ。このまっすぐでブレないかっこよさが黒田くんのコロコロらしい良さを全面に現している。
同じくコロコロのラブコメである【ぷにるはかわいいスライム】において主人公のコタローは実に対照的で好きを素直に出せないコロコロギャグ漫画寄りの王道のキャラである。
そこもあるからなお黒田くんの素直さと揺るがない芯がスーッと脳髄に染み渡ってカタルシスを得られるわけだ。
コタローは素直になれなさを軸にドラマを作っているからこそ同じコロコロ産のラブコメという点でも多くの違いがあり面白い。
赤嶺さんは恋愛面では掴みどころのない反面、実在性と呼ぶべき成分が非常に濃い。解像度と言い換えても良い。ここがぷにると最も違っている部分である。
いそう、いてもおかしくないという点で解像度が高い。だからこそキッズの中へ深く深く抉り込んで致命傷を残す様を見てみたい。
まだ恋心を自覚しているのかしていないのかくらいの年頃の子から発せられる初々しい好きのエナジーだけが世界を救うからだ。
つまるところ私は見てみたいのだ。ぷにるを読んでジュレや宝代に性癖をぶっ壊されたキッズが赤嶺さんで清く正しいラブコメ沼へ導かれる様を。
このバトルフィールドにおいては赤嶺さんの実在性が圧巻の猛威を奮う。特異的な要素があるわけではない。マンガにしかいねえだろみたいなキャラ付けがあるわけでもない。
現実に地続きの世界だからこそ成せる業だ。
私はそんなキッズへそっと次のステップである【からかい上手の高木さん】を渡す男でありたい。キャッチャー・イン・ザ・小学館。
最後にもう一度言おう。【キミの目を見て話せない】のコミックスを買え。この美しい作品に未来永劫朽ちることなき繁栄と光あれ。
こんなにもプラトニックで爽やかに光溢れるキッズ向けラブコメを接種できる機会は滅多に存在しないぞ。
同じ時代に生まれられたことに弛まぬ感謝を。
この結末をリアルタイムで見届けられるであろう事実もまた人生の楽しさを加速させる。
2人の関係はどこまで行くのだろう、どうなるのだろう。そして須部くんの好きはどこへ行くのであろうか。我々はどこから来てどこへ行くのか。疑問は尽きない。
何よりも、どのような展開で明確に「目を見て話す」ようになるのか。これである。ここを終着点とするかターニングポイントにするかで全ては変わる。これが本当に楽しみである。
そして更なるコロコロのラブコメだからこその熱さを期待している。
特に木曜日はカシバトルにゴクオーくんにブラックチャンネルにと人の光が眩しすぎる作品が勢揃いなので黒田くんにはますます期待している。
【キミの目を見て話せない】は令和のストレスない世界というニーズに沿った作品は毎日ドカ笑顔で読む事ができる。
1巻のおまけページにある書き下ろしも非常に力に満ち溢れておりグレイトフル笑顔になれた。特に心を鬼にして須部へジャガイモを渡さない黒田くんからはあまりにも多大なこいつらかわいすぎるエナジーを摂取することができ踊り出してしまった。
そんな中で16話や17話のような大火力を叩き出してくる話があると心肺停止度も上がるというもの。
これからも楽しみにし、応援していきたい。黒田くんがんばれ(ページ下応援コメント)
この好きも、もう簡単にはひっくり返らないだろうから。