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「生成と消滅の精神史」を読みました。

下西風澄さんの「生成と消滅の精神史」を読んだ。

すごい。分厚い。
電子書籍で読んだのに分厚い。

内容は難しくてきっと1割も理解できていないのだろうけど、心を巡ってこの長い歴史の中で多くの偉人たちが苦悩してきた事実を知れただけで、なんだか救われた気持ちになった。
そうだよな。生きることって、心ってしんどいよな。みんなそうだったんだ、僕だけじゃなかったんだ。

答えが出ないから面白いとも言える。
何かに悩んで、すぐに効く処方箋を求めている人には本書はおすすめできないかも知れない。
で、結局どうすればいいの?という回答はこの本には書かれていないし、そもそも答えなどないとも言える。

答えがないという答えを知ることで、心は軽くなるかもしれない。
無理ゲーを無理ゲーだと気付かずにプレイし続けるのはしんどい。
無理ゲーなんだと分かった上で、じゃあこっからどう楽しんでやろうかと人生に対してワクワクしている。

きっとこれからも悩みは尽きない。
それは生きている証拠で、苦悩のない人生は味気なくて、つまらなくて、嫌気がさしてしまうだろう。

極端に生きてみてもいい。
その度に気づいていけばいい。
楽に、オープンに。その時々の流れに身を委ねて。

心は今日も動いている。
幸も不幸も、どう感じようかなんて自分にはコントロールできない。

心って面白い。
人間って面白い。

考えすぎる人間でよかった。
そんな自分を愛しながら、肯定しながら、この本を読んだ僕ならそうやって生きていられる気がします。素晴らしい一冊でした。

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