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更年期とエクオールーエクオール今後の展望

さて、今まで、エクオールのことをお伝えしてきました。

私自身エクオールサプリメントを摂取していますし、多くの女性にエクオールについて根拠を含めて説明しお勧めしてきました。

今後、さらにいろいろな研究がされていく中で、どのようなことがわかりどのように活用されるのかも興味のあるところです。

そこで、このエクオールのシリーズを書こうと思った時に、今回のテーマについても書きたいと思っていました。

運よく、2024年3月3日行われた第29回日本女性医学学会ワークショップの中で、エクオールの開発者である内山成人先生のお話をアーカイブで聞くことができました。

私の忘備録を兼ねてここに記していきたいと思います。


エクオールの開発

28年前からエクオールの開発が始まったそうで、お話を聞いていると他の研究のため研究が中断されたり、紆余曲折の中で開発されていたのが、よくわかりました。

よくぞ研究を続けてエクオールサプリメントの開発をしてくださったと、思いました。

内山さんの研究履歴をお聞きしても、様々な研究や経験がエクオールの開発につながっていることがわかります。

自分の経験も含めて過去の経験って、必ず後から活きてくるものだなぁと再認識致しました。

エクオールには天然性のSーエクオールと合成物のR-エクオールが存在します。このことに関しては、「更年期とエクオールーエクオールとは」にも書いていますが、この二つの違いもさらに知ることができました。


エクオール受容体への結合力の違い



エクオールの合成品は、SエクオールとRエクオールの50%混合だそうです。合成品=Rエクオール100%と思っていました。

Sエクオールはエストロゲンレセプターへの結合力がRエクオールより20倍高いそうです。

数値にすると、「結合能Sはβ受容体に0.73±0.2、Rは15.4±1.3 エストラジールは0.13」で数値の低い方が結合が強いとのことで、SエクオールはエストラジオールほどではないにしてもRエクオールより結合能が20倍高いことが示されています。

市販のエクオールサプリメントにはSエクオールで作られたものと合成品のRエクオールで作られたものがあります。

いろいろな人からお話しを聞いて両者には効き目に差があるなと感じていました。

受容体への結合能に差があるのならうなづけます

また、エクオールはイソフラボンと比べて血中での半減期が長い、標的臓器への移行性が高くエクオールの半分が活性体として存在するので組織に移行しやすいことがわかっているそうです。

半減期が長いということは、すぐ排泄されないで長い間、血中濃度が保たれるということになりますね、これも効き目に影響すると思われます。


組織に移行しやすいというのも、いろいろな作用があることからわかる気がしました。


サプリメントの開発前から国際的にもエクオールに関しての研究はされていて更年期障害、骨粗鬆症・体脂肪、血圧・血管内皮機能、乳がんリスク・肌に対して優位性があると多くのベネフィットがわかっていました。

現在では、さらに様々な臨床研究がされていて改善効果が認められています。

エクオールの効果参照

現在、産婦人科疾患(2016~)整形外科疾患(2020年から)の「今日の治療指針」にも変形性手関節症に対して代替療法として有効であると掲載されているそうです。

医療機関へのアンケ―ト調査では51,4%でエクオールが使われていて、その効果も71.2%が有効だったと回答されていたそうです。

さらに近年、エクオールと臨床試験に関しては、更年期症状改善効果、閉経後骨代謝改善効果、メタボリックシンドローム改善効果、肌(シワの改善効果などが論文として出されています


今後の展望

①PCOS(多嚢胞卵巣症候群)の症状緩和
②乳がんの予防効果
③乳がんの治療タモキシフェンの副作用の軽減
④乳がん治療の支持療法として(乳がんの治療を止めるよりはエクオールサプリメントを摂りながら治療を完遂する)
⑤GSM(頻尿・尿もれ)の予防
⑥エクオールを摂取しながら有酸素運動することで血管コンプライアンスが高くなることによる動脈硬化予防 への応用ができないか研究が進められているようです。

エクオールの将来の展望として、内山さんが話されていたことが「医療現場の声が新たなエクオールの可能性につながり、将来的に更年期以降の女性のQOL維持・向上のためにセルフメデケーションと食品だからできる役割に貢献すること」でした。


2023年12月文春オンラインで大塚製薬は開拓賞を受賞しています。更年期問題を表舞台に引き出したナンバーワンの研究開発として評価され、「もし大塚製薬がエクオール研究を始めなかったら、更年期問題は今ほどクローズアップされなかったかもしれない」 エクオールの研究開発は常識を塗り替え1人で悩まず自ら改善し前向きに生きる。更年期生活そのものを開拓と評価されたそうです。

私も同じように思います。

更年期にはマイナーな印象があるうえに、更年期症状を軽減してくれる方法がなく、ホルモン補充療法も乳がんが怖いと二の足を踏む人が多いなかでは更年期のことを積極的に取り上げることが難しかったと思います。

ホルモン剤ではなく、食品でなんとかできる・・という明るい情報を一緒にお伝えすることができるからこそ、お話をする機会も作れたと考えています。

私は、更年期女性のための活動を2013年から始めています。

エクオールのことは2012年ごろから研修や講演に参加し知っていましたし、2014年にサプリメントが発売されて以来、更年期世代の女性にエクオールについてお話をしてきました。

私は助産師ですが、医師ではないのでホルモン補充療法を処方はできません。

なにか、更年期症状の軽減になる商品や補完療法などもないか検討を重ねましたが、医療者としてエビデンスがはっきりしいないものを勧めるわけにはいきません。

現在、更年期や更年期障害について、ホルモン補充療法について、エクオールについてのお話をすることで更年期を乗り越えて欲しいと活動をしています。

実際にエクオールサプリメントを使った方から、感謝されることも多くあります

もちろんエクオールサプリメントだけではなく、生活習慣を整えることもお勧めしており、今後も女性の健康を支援していきたいと考えています。


エクオールに関して、情熱と感謝を込めて書いてきましたが、今後も研究が進められもっとたくさんの分野で活用されるようになることが期待されます。

その時は追加してお知らせします。

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この記事は私が書きました。


佐藤みはるのプロフィール


助産院ハイジア  公式サイト

更年期に関する資格認定講座 ウィメンズヘルスアドバイザー

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