更年期症状ー肩こり
1.更年期に肩こりが辛いという人は多い
そもそも日本人の肩が凝る頻度は高い
日本の更年期の女性が感じる症状の中で1番多いのが肩こりになります。
(図1参照)
ちなみに欧米人は肩こりはないそうです(骨格の違いと言われいます)
欧米人は更年期症状として多いのは血管運動症状(ホットフラッシュ)です。
日本では、調査によって順位が変わったりしますが、肩こりは常に上位に入っています。
2.肩こりとは
肩こりの定義
肩こり、肩こりといいますが、定義を見てみましょう
「頚より肩甲部部にかけての筋緊張感(こり感)、重圧感、および鈍痛などを総称」
「後頚部から肩甲部にかけての筋肉の緊張を中心とする不快感、違和感、鈍痛などの症状、愁訴」などとなっています。
緊張型頭痛を伴うこともあります。
(日本女性学学会編 女性医学ガイドブック更年期編 P278)
病気からくる肩こりと更年期の肩こり
更年期症状と肩こりを起こす病気との鑑別が必要です。
頸部椎間板症、むち打ち損傷、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎、腱板断裂、
胆のう炎、胆石・胃炎、心筋梗塞、解離性大動脈瘤、心身症、うつ病、眼精疲労、顎関節症などがあります。
きっと更年期による肩こりに違いない・・と思ってしまうと危険です。
また、更年期の肩こりでもあっても、日常生活に支障をきたすようなら更年期障害という病気になります。
お勧めは、まず病院を受診して上記の病気がないか診てもらうことです。
病気でなければ、更年期による肩こりとします。
3.女性ホルモンの減少ー更年期に起きる肩こりの原因
病気ではなく更年期に引き起こされる肩こりの要因としては、姿勢の悪さ、運動不足による筋肉低下、不適切な運動、過労、寒冷、ストレス、加齢などが挙げられます。
なんといってもエストロゲンの減少が大きな要因です。
エストロゲン減少による、背骨のS字カーブの消失による姿勢の悪さや筋肉の減少、自律神経のバランスが整っていないこと、血流の悪さが関与し、なによりも更年期世代が抱えるストレスの多さなどが拍車をかけています。
また、血流の悪さを引き起こしている一つとして、エストロゲンの減少によりNO(一酸化窒素)が産生できず、血管を拡張する働きが損なわれるということがあります。
エストロゲンによるNO(一酸化窒素)の産生については以下の文献でも説明されています。
4.更年期症状ー肩こりの改善
NO(一酸化窒素)の産生を促進させる
更年期の肩こりの原因の一つとして、エストロゲンの減少によるNO産生の減少があります。
動脈を拡張させるNO(エヌオーと読みます)が不足することで、血流が悪くなるのが原因です。
しかし、エストロゲンは増やせませんが、NOは増やすことができます。
以下の記事にその方法を詳しく書いていますので、ご参照ください。
肩こりのセルフケア
更年期の肩こりは、NO産生の減少だけではなく姿勢の悪化、筋力低下など様々な要因も重なっています。
それらに対してはセルフケアを指導しましょう。
セルフケアに関しては、次の記事の「肩こり」をご参照ください
治療
肩こりにより、日常生活に支障があるようであれば、治療の対象になります。
漢方薬やホルモン補充療法があります。
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