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美と笑うキレートレモン


  • 和牛が解散してから早数ヶ月が過ぎた。もう少し何かあるんじゃないかと思ってたけど、ふわっと日常は続いている。水田さんも川西さんも普通に元気そうに見えた。

  • なんで和牛が好きだったのかな〜と思うと、やっぱり完成され尽くした様式美にある。伝統芸能のような形。気持ちがいいところにちょうどよく届くツッコミとボケ。生の漫才の苦々しさや甘酸っぱさがなく、ただ洗練された美。居合の達人とか空手の師範と同じ。もはや畏怖すら覚える。

  • 全国ツアーのTシャツが色褪せちゃったのがちょっと悲しい。


  • 安心して笑いたいという思いが日に日に増してきている。自分の弱さか危険物に触れられない。

  • 「イシナガキクエ」もみてないし、「あぶない刑事」ですらみてない。ハマりそうで怖いので。常に安全な沼の浅瀬でちゃぷちゃぷしていたい。ぬるま湯最高。

  • 今ありっちゃありスパークが熱い。というか原宿とおすしの父親コンビが熱い。一ジャンルにハマると過去回をひたすら遡ってしまうクセがあるので、最近行き帰りにずっと聴いている。ありオタ(ありっちゃありスパークのオタク)と化した。

  • どの回でもある一定度の水準で安心できる。やっぱり娘さんがいるというのが大きいのか自身のマスキュリティや社会の根幹にあるミソジニーを丁寧に面白く問うている。用語を使っておしまいのリベラル男性笑ではなくて、笑いの文脈に落とし込めるだけの理解と手腕を持ち合わせている。すごすぎ。二人とも別の方向で造詣が深い人だなぁと思う。尊敬でしかない。

  • 「チャレンジ島の闇」回でその安心が信頼に変わった。ちゃんと家父長制って言うし、ちゃんと自由恋愛から種族別の婚姻関係が奨励されるチャレンジ島行政の欺瞞、というかベネッセの手垢のついた教育論批判になっている。しかもそれで笑える。思想が強い人ほど見た方が良い名作回。

  • ただ、それはそれとしてオモコロはどうにも資本主義くささが漂っているように思えてならない。最近どんどん増している。新オフィスに変わったからとかじゃなくて、案件を受け取る先が〜〜とかでもなくて。パソコンくんのホモソーシャルな欲望を感じてならない。手に入れられなかった青春を味わうものから、手に入れられた商業主義的成功を味合う何かに変わっていっている。おもしろってそういうものだったっけと首を傾げることが増えてきた。選民思想的とも違うし、まだ言語化できない気持ち悪さを覚えている。

  • 結局は、まだ商売と好きの折り合いがついていない自分の甘さなのだろう。推し資本主義の歪みを一方的にオモコロに見出そうとしている自分がいる。お前もアウトサイダーだったじゃないか、と。勝手にどこにいくんだと落ち込んでいる自分がいる。

  • それはそれとしてデイリーポータルZの英語版が熱い。翻訳の都合か、どの記事も微妙に古い。

https://dailyportalz.jp/kiji/151001194695
  • 今いないよこんなセレブ

  • 服が全体的にテロテロだったり、一昔前に流行ったネタだったりするのに面白さは色褪せない。英語版も相まって妙にフォーマルな文章だったりして余計に面白い。

  • Maybe anyone can have their celeb-style photo taken under these conditions.「以下の条件に基づき、たぶんどこの誰でもセレブっぽい写真が撮れる」みたいな。こんな文章が延々と続く。強い。

  • トップページの一番上が微妙に破壊されてるのも面白い。ここまで来ると、一番左下にタコを手袋にしようの記事があるのも全てが笑える。もはや様式美。

  • 食べ物系の記事見ても別に食いたくならない不思議。パラレルワールドの住民の趣がある。


  • Going SEVENTEEN再視聴に戻ります。

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