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#39 映画だからこそ伝わる作品
ケイコ 目を澄ませて
監督:三宅唱
嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコは、生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえない。小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉に出来ない思いが心の中に溜まっていく。「一度、お休みしたいです」と書きとめた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、ケイコの心が動き出す――。
先日、シネマテイク高崎にて観に行ってきました。
生活音やボクシングの音。最初は無機質に感じていましたが、観覧後は愛しくなりました。
時が流れている雰囲気は定点カメラの良さが大きく出ていました。
同じ風景でも時が異なるだけで感じ方が変わりました。
また、ケイコの表情がよりはっきり感じる事が出来ました。
悩み、葛藤、生きにくさなど。
ケイコはしっかり者の姉。家族に打ち明けられない不器用なケイコの弱さも感じつつ、そのまま前に突き進む強い女性でした。
心配している母の気持ちも周りからの期待もケイコ自身が消化しきれない感情はケイコの優しさなんだろうな、と気づきました。
ケイコだけでなく、周囲の優しさ
温かい作品でした。
温かさについてはケイコ役の岸井ゆきのさんが高崎映画祭でもコメントしてくださっていました。
撮影現場が温かく、これがケイコなんだと。作品からにじみ出ていました。
どうしようも出来ない事はたくさんあるけど、それでもケイコの様に葛藤しながらも強く進んでいきたい。
かっこいい女性を観させてくれてありがとうございました。
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