すっぱい葡萄とすっぱいレモン
まもなく新年度。
大学の非常勤講師として、授業の準備を開始しました。
私は私立大学でキャリア開発の授業を担当しています。
3年生を対象とした授業内容は、ズバリ就職活動対策。
この授業は複数の講師で実施しています。
初回に、いつもイソップ童話の「すっぱい葡萄」の話をされる先生がいらっしゃいます。
英語で「負け惜しみ」を「sour grapes」と言いますが、この寓話が語源のようです。人は目指していたものを諦めた後、それを価値のないものとみなすことで自分を正当化しようとします。
この1年、大変なこともあるとは思いますが前向きに取り組もうというメッセージです。
諦めたらそこで試合終了なんですよね。©️安西先生
なんの葛藤もなく就職活動を終えられる人はあまりいないと思います。
もしかしたら、人生で初めての辛い経験をするかもしれません。
『THIS IS US 36歳、これから』というアメリカのドラマの中で、死産を経験した父親に、医師がこんな言葉をかけます。
すっぱい経験は、あとから意味づけを変えることができます。
すっぱいレモンを手に入れた人にしか、そのレモネードは作れません。
就活は自分と、そして社会と向き合う絶好のチャンスです。
学生の皆さん、一緒に葡萄の取り方を探求しましょう。
ときに、すっぱいレモンを齧る瞬間もあるかもしれません。
でも諦めなければ最後にはきっと、葡萄ジュースとレモネードでお祝いできますよ。※谷口的にはワインとリモンチェッロが好みですが……笑
数年経ったら、その経験を後輩にも伝えてあげてください。
おいしいレモネードをふるまえる人生って、悪くないと思います。
最後に、谷口クラスの授業方針です。
2年生で履修するキャリア開発1,2、そして3年生のキャリア開発3,4を通じて、谷口クラスの目指すところは、自分を好きになることです。
すべての授業に通底しているのは、自己理解の大切さです。
長所と短所は表裏一体。
自分のすべてを笑って受け入れられる自分になることを目指しましょう。
何があっても自分を肯定できる若者が、卒業後に社会に羽ばたいていく姿をイメージしながら授業を創っていきます。
学生の皆さん、1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
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