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丑の日に本当は鰻が食べたかった! みたいな「脾」のはなし

8月6日で土用が明け、7日に立秋を迎えました!
こんなに暑い毎日だし、外では蝉の大合唱なので秋と言われてもピンと来ませんが、蝉の合唱の中、我が家の裏庭でトンボを見かけることが増えてきました。
トンボを見かけると、こんなに毎日暑くてグッタリしていても、秋が近づいていると自然が教えてくれているなぁと感じます。

土用明けして数日経ちますが、みなさんは丑の日にウナギを食べましたか?

今年は夏の土用の期間の中に丑の日が7月24日と、8月5日の2回ある年だったので、スーパーもコンビニもすごく頑張って売り出していましたね!

私はというと、丑の日のことをすっかり忘れて、たまたまバスの待ち時間に立ち寄ったデパ地下で、大売出ししているうな重を見て思い出す始末でして(笑)

買おうか迷ったのですが、
期間限定で出店しているお店はどれもめちゃくちゃ混んでいたし、
人混みの隙間から見えた値段にも怖気付いてしまって、
買うならスーパーにしよう…と言い訳をしながらデパートを後にして
結局スーパーにすら立ち寄らずに家に帰りました。

そして、家族にそのことを話すと、
大ブーイング(笑)

いつもの私なら、なかなかいかないデパートに偶然立ち寄った上に、
ほとんどお目にかかれないお店のウナギに出会ったんだから、
高くても買うべきよね!?と奮発して買っていたはずだし、
仮に値段にびびって諦めたとしても、
そこで一度「ウナギの口」になってしまっていては、どうしても諦められずに翌日にでも執念でスーパーにウナギを買いにいっていたはず。

でも、今年は結局ウナギを食べていません。
私の巻き添えを食らった家族も、ウナギにありつけず(笑)

デパートに立ち寄った数日後、その鰻専門店で食中毒が出たとニュースで知ったことで、私の中の第六感のウナギを避けるセンサーが働いているのか!?とも思ったのですが、

どうも、コッテリして胃が受け付けない感じがして商品に手が伸びない。

そうなんです。「鰻を食べて夏バテ予防!」する前に、
すでに夏バテして食欲が落ちてしまったようなんです。

漢方では食欲低下は「脾」の不調と考えます。

「脾」というのは、脾臓っていう若干マイナーな臓器のことではなく、漢方の考え方では「消化吸収の機能全般」を指します。

脾が不調だと、エネルギー不足になって、手足や筋肉がスムーズに動かなかったり、貧血になったり、くよくよ思い悩んだりします。

土用時期は、季節の変わり目、次の季節を迎える準備期間と考えられ、湿度や気温などの影響を体に受けやすく、特に「脾」を労わる時期と言われます。

夏の土用には、「う」のつく食べ物を食べるのがいいと言われて、ウナギを食べる習慣がありますが、今年の私は、すでに脾が不調で、ウナギを見ても食欲がわかないので、違う「う」の付く「梅干し」を食べることにしました。

そう言えば、最近食べるおにぎりの具は、
「庭の紫蘇+梅干し+雑魚+桜海老+胡麻」で、無意識に梅を食べていました。体が求めていたようです。

薬膳的には、食べ物の抗菌作用や、からだの浄化、
疲労回復、汗のかきすぎを防ぎ、胃腸を整えて夏バテを予防します。

「土用の丑の日にウナギを食べないなんてありえない!」
って思って弱った胃腸にムチ打って食べるんじゃなく、

「今じゃない」
ってからだが自然とウナギを避けてくれたなんて、
(さらに、ウナギ食べなくてよかったーなんて思える食中毒ニュースまで飛び込んできましたし)

私もちゃんと、流行に流されずからだが養生してくれるようになったんだな、なんて少しうれしくなりました。

夏休みのシーズン、旅行や帰省、暑すぎて出前を取る、などなどが重なると、ついつい食べ過ぎて、胃腸を酷使することがあると思います。

土用は過ぎましたが、まだまだ「脾」の養生は大切!

酷使したツケは後からじわじわ来るので、

色々食べたい日は、いつもより少しだけよく噛むことを意識して、胃腸の負担を軽くしてあげてみてくださいね。

我が家も今年は質素な「う」で夏を乗り切り、
来年こそは家族でウナギ屋さんに食べに行く勢いで、ウナギを堪能できる胃腸づくりをしていきたいと思います!

来年はおいしいウナギを堪能するぞー!オー!

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