「世界観設定」をゼロから作る(資料の使い方がポイント)
「企画から1つの作品を作り上げてみよう」ということで始めた和風ファンタジー小説「花咲く夜に君の名を呼ぶ」。
その「世界観」を作るためにまず行ったのは、資料のリサーチでした。
世界観の設定を作るためには、ある程度の知識が必要です。
(「どの程度」必要なのかは、書く小説のオリジナリティーの程度によりますが…。)
以前の記事で書いた通り、「花咲く…」の舞台(となる時代)は「古代」なので、まずは「古代日本」について…
<関連記事:時には「企画」から1つの作品を作り上げてみる>
そして、ファンタジー要素を入れるため、「日本神話」について、文献を読み漁りました。
どんな文献を読んだのか、その一部は「参考文献リスト」という形で自作サイトの方にも載せています↓。
<関連ページ(外部サイト):和風ファンタジーの参考文献リスト>
その「資料リサーチ」の過程で大切にしたのが「楽しんで学ぶ」ということです。
「文献を読み込む」ことに苦手意識のある方もいらっしゃるかと思いますが…
「資料を調べる」と堅苦しく考えず、「おもしろ雑学を新たに仕入れる」「ファンタジックな素敵知識を探す」という感覚で「ワクワク」学ぶのがポイントです。
そして「この知識は良い!ぜひ小説に取り込みたい」「この道具はバトルシーンに取り入れられるのでは…?」という風に、小説に使いたい・使えそうな知識をどんどんピックアップしていくのです。
最初のうちは、とにかく「使いたい&使えそう」な知識をノートに書き出していくことから始めました。
(あるいは、私物の本ならフセンを貼ったり、図書館の本なら必要なページをコピーしてファイリングしたり…。)
そして、そんな風に作った資料ノート(ネタ帳)から、「本当に(小説に)使える知識」を取捨選択し、設定を組み立てていきました。
(どんなに魅力的な知識でも、使い勝手の悪いものがあったり、組み合わせ的に上手く小説に取り込めないものがあったりしましたので…。)
時には調べた知識から妄想を膨らませ、オリジナル設定を作ったり、多少のアレンジを加えたりもしました(←「花咲く…」は歴史小説ではなく、あくまで「和風ファンタジー」なので)。
また、「花咲く…」の創作では「日本地図を見ながらプロット&地理設定を組み立てる」ということも行いました。
「花咲く…」の舞台は「古代日本のパラレル世界」的な異世界となっており、地理・地形は日本列島(の昔の姿)と一緒です。
なので、学生時代に使っていた地図帳を、印刷の濃さを「うすめ」に設定して白黒コピーし、そこに色ペンで国や邑、主人公たちの移動ルートを書き込む、ということをやっていました。
(カラーコピーしてしまうと、色ペンが目立ちづらいですし、印刷が濃いと書き込んだ文字が読みづらいので、「うすめ」にするのがポイントです。)
「花咲く…」は茨城→千葉→埼玉&東京(武蔵国)というルートで旅していきますので、関東の拡大地図を使ってストーリーを練っていました。
ただ、地理・地形は時代の変化によって変わってしまったりもしますので、現在の日本地図「そのまんま」というわけにはいかない箇所もいくつかありましたが…。
(霞ヶ浦の形や、荒川の場所など←荒川は江戸幕府により人為的に流れを変えられています(荒川の西遷)。ちなみに利根川も同じく変えられています。↓)
ちなみに物語に登場する主要な集落(邑や都)の場所は、貝塚や遺跡、有名な神社のある場所などを選び、地名もそれにちなんだものになっています。
茨城周辺のプロットを作る際には、「常陸国風土記」の各土地の記述と読み合わせながら設定を組み立てていました。
別ブログにも書いていますが、「常陸国風土記」は「古代茨城のガイドブック(&伝説集)」なので、まるで古代の茨城を妄想旅行しているような感覚で、非常に楽しい作業でした。
<関連記事(別ブログ):記紀だけが古代史じゃない!日本古代の“ローカル”な魅力を味わおう!>
現実の地図でも空想の地図でも、「地図を使って(目の前に地図を広げて)プロットを練る」のは、何も無い状態より「具体的な想像がしやすい」ので、オススメです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?