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Hマートで泣きながらで泣くのは読者の方もだった。全米のベストセラーエッセイの感想

「Hマートで泣きながら」という全米のベストセラーエッセイを読んだ感想を紹介します。

本書は、韓国とアメリカのハーフのミュージシャンである著者と母親の闘病生活のやり取りが、非常にリアルに記された作品で、心揺さぶられるエッセイです。  

本記事では、本書の概要について説明し、感想や心に残ったフレーズなど紹介します。

また、読者が本書を読んだ際に得られるものや、どのような人におすすめなのかを考察。  

ぜひ、「Hマートで泣きながら」に興味のある方は読んでみてほしいです。
   

「Hマートで泣きながら」とは

「Hマートで泣きながら」は、アメリカで人気のバンドJapanese Breakfastのメンバーであるアーティストのミシェルザウナーさんのエッセイです。

(日本でもおしゃれなカフェなどでよく流れています!)

筆者が母親の闘病と向き合った生々しくリアルな渾身エッセイで、個人的に激推しの作品ともいえます。  

「Hマートで泣きながら」の概要

□タイトル:Hマートで泣きながら
□著:ミシェル・ザウナー 訳:雨海弘美
□刊行年:2022年10月30日
□発売:集英社
□備考:全米のベストセラーエッセイ

「Hマートで泣きながら」のあらすじ

「Hマート」は、アジアの食材を専門に扱うアメリカのスーパーマーケット。人々が「故郷のかけら」や「自分のかけら」を探しにくるところ。

韓国人の母とアメリカ人の父のあいだに生まれたザウナーは、アイデンティティに揺れる十代のときに音楽活動にのめりこみ、猛反対する母親とは険悪な関係に。

それから十年、やっとわだかまりがとけかかったころ、母親の病気が発覚。辛い闘病生活の末に母は亡くなってしまう。

喪失感から立ち直れず、途方にくれていた彼女を癒してくれたのは、セラピーでも旅行でもなく――韓国料理だった。

ミュージシャンとしても活躍するミシェル・ザウナー(ジャパニーズ・ブレックファスト)のメモワール。

出典:Amazon公式

 「Hマートで泣きながら」の感想 


・読んでみた感想

まずは、泣ける作品であるということと、著者のアーティスト根性がすごいということをすごく感じる作品でした。

著者の人生の中で最も悲しい出来事を、ここまでリアルに表現し、記したことにも僕は感動しました。  

読書の魅力として、「擬似体験をするということ」がよく言われていると思います。

そこを踏まえると、僕は家族や両親が病気になり、それを近くで看取るという経験をまだしていない。その経験がない中で、著者のリアルすぎる話に感情移入もでき、まさに擬似体験できました。

実際に僕の両親も還暦を超えていて、いつかは人生に終わりを告げるときが来るでしょう。  

僕の両親との関係や家族のことと照らしあわせながら読んでいると、リアルな著者の感情がありありと伝わってきて、僕ももし同じことになったら、著者と同じく喪失感で溢れるような気持ちになるだろうとも思えた。

また、著者と母親との思い出の中に、「韓国料理」という母国料理の思い出も幾度なく出てくるのも印象深いです。  

こういった記憶や思い出、衣食住や五感などは、自分の感情に密接につながっているということも感慨深いと思いました。

総じて、軽々しい表現にならないように気をつけたいところですが、本書はミシェルザウナーさんの名作といえるでしょう。  

あと、この話の期間に作られた著者のバンドのJapanese Breakfastの「Psychopomp」は本書を読んでから、歌詞を見て聴くと非常に響きます。

・心に残ったフレーズ

あまり詳細まで記すことができないのが残念ではありますが、とあるワンシーンで、心にジーンときたところがあり、そこから一部抜粋します。  

「泣いてはいけない」と、内側から声がした。「泣いたら危機の存在を認めることになる。お前が泣いたら、母は泣き止むことができなくなる」と。 だからわたしは涙を呑んで、声を落ちつかせた。気安めを言って母を慰めるだけではなく、わたし自身がその嘘を心から信じられるように。 「ただの髪じゃない、オンマ」とわたしは言った。「また生えるって」

出典:Hマートで泣きながら

この作品を読んでいて僕自身、3つのシーンで号泣しました。

その中のひとつのシーンの一部分です。 闘病生活をしている母親と、娘である著者とのやり取り。  

このシーンは母親と著者の実家の洗面台でのシーンで、今まで元気だった母親の姿の記憶と、現在苦しんでいて姿も変わり果ててしまった現在の姿が重なり、涙を我慢するところです。

実際に僕の実家の洗面台と照らし合わせて想像すると、「泣いてはいけない」という著者の心情が僕にも深く浸透してきた。

本当は今すぐにでも泣きたいが、母親のことを考えると自分が我慢して強くなるしかない。  

いい記憶が残像に残っていて、それと同じ場所で悪い現実が重なった時、ストレートに悲しみが打たれる。 今また思い返すと目頭が熱くなってくる。


・こんな人におすすめ

先述もしてますが、著者の渾身の非常にリアルなエッセイで、泣けるお話だと思います。

状況によっては、かなり赤裸々に綴られているので、読むのが辛くなる方もいるはずです。

もちろん、価値観はそれぞれですが、あくまで僕の個人的な感想なのでご理解ください。  

というわけで、まずはひとりで読む環境を整えて、感情をオープンにしたほうが、よりダイレクトにこの作品を感じとれるでしょう。

「Hマートで泣きながら」をおすすめしたい人は…  

☑︎ファミリーものの、感動するお話を読みたい人
☑︎看取ることであったり、家族とのことを向き合いたい人
☑︎この本は知らないけどアーティストとして著者を知ってる人
☑︎韓国の食文化が好き、興味のある人
 


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