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感想 生き方 稲盛和夫 日本を代表する経営者の一人だった稲盛さんの哲学。少し時代錯誤ではあるが説得力はあり参考になります。

考え方が時代錯誤のような印象を感じた。
稲盛さんは優れた経営者である、その哲学は素晴らしい。
しかし、今の時代に合致するかは疑問だ。

稲盛さんの思想の背景には色濃く仏教の思想がある。その博愛精神は立派だが、サラリーマンが読むビジネス書としては理想的すぎる。

因果応報、つまり、良いことをすると良いことが起こり、悪いことをすると、悪いことが起こる。
確かに、それはある。しかし、正直者が損をする。これも真実である。とくに、ここ数年の日本はそういう感じになりつつある。具体的には、弱者をカモにする人たちが急増したというファクトに基づく。

だから、本書をそのまま受け入れるのは厳しいが、それでも読む価値は十分ある。
時代が変化しても、揺るぎない何かは存在するからです。

稲盛さんの言葉に触れていきます。

試練を機会としてとらえることができる人・・・・そういう人こそ、限られた人生をほんとうに自分の者として生きていけるのです。


仏教的な言葉ですが真理でもあります。
辛いから転職する、しんどいから投げ出すのではなく、その試練によって自分を成長させステップアップする。これが稲盛哲学です。

仏教に思念が業を作るという言葉があります。・・・つまり思ったことが原因になり、その結果が現実になって表れてくる。


願いが現実になるということです。
これが稲盛哲学の中核に僕は感じた。

事をなそうと思ったら、まず、こうありたい、こうあるべきだと思うこと。それを誰よりも強く、身が焦がれるほどの熱意をもって・・・


心が叫ばなければ、やり方も見えてこないし、成功も近づいてこない。だからまず強くしっかりと願望することが重要である。


寝ても覚めても四六時中そのことを思い続け、考え抜く、頭のてっぺんからつま先まで全身をその思いでいっぱいにして、切れば血の代わりに思いが流れる。それほどまでひたむきに強く一筋に思うこと、そのことが物事を成就させる原動力となるのです。


不可能を可能に変えるには、まず狂がつくほど強く思い。現実に信じて前向きに努力を重ねること。


こうと思ったら、それしか考えない。努力する。寝食も忘れ、休むという言葉など、彼の辞書にはない。残業とか、休日出勤という言葉すらない。ただ、ひたすら、その思いだけに集中し努力する。

言い換えると仕事人間になる。仕事が生きがいの人になる。それが人生のすべてになる。それくらいでないとうまくいかない。

つまり、今の働き方改革の逆なのです。
でも、納得できます。その本気さが昔の日本人にはあり、だから、戦後のあの闇の時代から世界二位の経済大国まで一時は発展した。その原動力は、この稲盛さん的な思想にあります。

時代錯誤と僕は言ったのですが、しかし、成功したいなら、これなのだというのも事実です。

できないことがあったとしても、それはいまの自分にできないだけであって将来の自分になら可能であるという未来進行形で考えることが大切です。

仕事を好きになれない人には・・・

とにかく、まず一生懸命、一心不乱に打ち込んでみることです。


自分が燃える一番の方法は仕事を好きになることです。


誰だって好きなことをしている時は楽しい。できると楽しくなる。だから、最初は無我夢中で頑張るしかないということだと思う。さらに成功を求めるなら、寝食も忘れ仕事ややりたいことに全力投球する。

確かに、この稲盛哲学は成功哲学として正しいと思う。
しかし、人は24時間働けない。

たぶん、こういう親世代の生き方を否定する形で、今のゆるい働き方が出てきたのだと思う。
その背景にあるのは楽して儲けたい。

その延長戦上に出てきたのが援助交際やオレオレ詐欺。
弱者がカモにされる世界。

とにかく全力で働ければ豊かになれた稲盛さんの時代が良かったのか。
今のこのゆるい感じがいいのかは僕にはわかんない。

でも、昔の人のほうが目はキラキラしてたと思う。
生きている実感や生きがいがあったのかもしれない。
今の若者の大半は時間を切り売りしているだけなので、仕事に生きがいなんて、ほとんど感じない。
仕事が苦痛だ。
余暇は増えたが、それが本当に幸せなのかは僕にはよくわからない。
不幸な気もしないではない。
稲森哲学を学ぶことは今の時代でも大切なことに思える。


2024 8 10
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