感想 教場2 長岡 弘樹 少し毒味が薄くなった分、風間教官の教師としての魅力が増したように感じた
明らかに最初の作品に比べてトーンダウン。
いささかマイルドになっている。
最初の作品で元医者という生徒が警察手帳を紛失する。
隠した生徒の犯行動機や過去がすごい。
これは確実に、一巻のトーンを引き継いでいる。
犯人は、過去に元医師だった生徒の患者で、その怪我は密造した拳銃が爆発してのことだった。
それが知られたら解雇になるから、元医師を先に辞めさせようとしてというのです。
拳銃の密造してた奴が警官なんて・・・
ありえん。
他は、物が盗まれたとか
他人に罪を押し付けて、それがバレて復讐されるとか・・・
印象に残ったのは、最後の作品と四番目の作品だった。
最後の奉職の話しはいい話しです。美浦の過去がわかったとたん、どうして風間が彼に厳しかったのかがわかった。それだけ期待していたということだ。
卒業する美浦に対して、風間は自分がこの仕事を奉職している理由を教えてくれます。それは、美浦のような学生に会えるからでした。彼は六年前にも、この学校に通っていて途中で退所しているのです。その情熱、これはなかなかのもの。
一番印象に残った話しは四話目の敬慕です。女の友情がいい。広報担当の女の子と、その引き立て役の子。テレビで見せた手話の意味がとてもいい感じです。
最後に、手話の子が辞めることになって、その時、テレビでした手話が本当の意味じゃなく変更していたのがわかる。
そのテレビの映像の描写。彼女の思い。すべて、そこに凝縮されていて、ちょっとした感動の渦が巻き起こります。
今回の作品は、少し弱くなった分、風間の教師としの優しさや魅力が増したように見えました。
前回のような過激でパワーゲームみたいな切れ味の良いミステリーではなかったが、こちらのほうが学校のような気がします。
2022 7 7
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