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感想 遊廓島心中譚  霜月 流 江戸川乱歩賞受賞作。外国人の現地妻になり、父殺しの犯人を解明するという設定はいいが駄作だと思う。

ミステリー新人賞の中で、この賞は特別だと思われています。
受賞作品のレベルが高く、受賞者はそのまま活躍している人が多いことも有名です。
藤原伊織 真保裕一 野沢尚 福井晴敏 池井戸潤 高野和明・・・・

ということで読んでみた。
時代物ミステリーです。
それも心中がらみ。

期待に胸を膨らませながら読んでみたわけですが・・・。
これは駄作だ、そうに違いないと確信したのは、途中で物語がちょっとおさまりが悪くなってきたからです。

選考委員の何人もが指摘している欠点が、普通の読者である僕にまでわかってしまう程度の受賞作品なのです。
読んでいて途中で投げ出したくなった。

ぺリー来航以降、開港された港に外国人専用の遊郭が・・・。
そこの外国人妻二人の視線で描くミステリー。
心中箱のところは省いてよかったような気がします。

父が死んだ、外国人専用の遊郭の女と死んだが女の姿はなく鑑札だけが・・・。
心中だと思われている。
直前に、押し込み強盗みたいなことをしている。

何かおかしい。とってつけたような醜聞。
誰かの悪意を感じる。

真面目で腕の良い職人であったはずなのに・・・。

一人娘の彼女は父の元弟子の男の助けにより外国人妻となり謎の究明をしていく。
最後の謎解きは良かったが、江戸川乱歩賞受賞作としては物足りないかんじがした。

この探偵役の娘ですが、石集めが趣味という個性が際立っていました。
それが縁で遊女殺しの異名を持つ外国人に気にいられます。

この外人の描き方が単純。深みがない。
外国人の遊郭の雰囲気も描写が薄い。

色んなダメ出しがしたくなる作品でした。


2024 11 27



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