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感想 呪詛を受信しました 上田 春雨 死んだ人から呪詛のメッセージが届く。すると、その人も死ぬ。主人公が腹黒。まったく共感できないのに、ストーリーは魅力的。

こんなダークな探偵は見たことがない。
援助交際をしている家庭に難ありの人間不信の少女。ボイスレコーダーを常に持ち歩き証拠をおさえることで自己防衛をしている。
自分の利益しか考えず、人との関係は打算的でドライ。そのくせ寂しがり屋。

犯人はすぐにわかります。
その人しかいません。

問題はそれが罪に問われるかどうかでした。

死者から届く 死ね という呪詛の二文字。
受け取った人は動揺します。
そして、不審死をします。
その死んだ子が、次の人に呪詛のメッセージを。
そして、次も・・・・。
最後には主人公に届く。

これって呪いのビデオの変化形なのか?。

殺害された子たちの関係性を繋げるとすぐに犯人は特定できるのですが、それでも、どうやってという謎が残ります。そのメッセージはどうやって送ったのか。それを受け取った人はどう感じたのか。それが死にどう結びつくというのか。

呪いって、弱者の武器なんだよ。正面向かって敵わない相手でも、倒すことができる。たった一言で、人を殺せる。世界を変えられる。



こんなの嘘でしょと思うのですが、物語の中ではそうなっていくのです。
言葉の怖さというものを痛感します。

追い詰めれば、後ろめたい人間は、弁解という名の自白をはじめる


これも、そんな都合よくと思うのですが、追い詰められ孤立すると自己正当化し他者に認めてもらいたくなるようで墓穴を掘るようです。

最後に、この呪詛ですが、古来から面々と受け継がれていますが、これ見破られたら無効になります。というか反撃されます。

人を貶めるようなことをした人間は、それがばれた瞬間、周囲の態度が変わります。
呪詛返しとも言うのでしょうか。他人を嘘で貶めるならば、この呪詛返しを覚悟してやらねばならないということみたい。



2024 7 15


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