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ブランディングは「映画を作る」イメージで。
最近、私はこの考え方がしっくりくる。
なぜなら、私は、ものを売って終了、何かが解決して終了というブランディングに携わっていないから、というのもあるだろう。
マーケティング的な視点だけでなんとかできる感じではないからこそ、『映画』という視点がしっくりくるようになった。
というのも、映画がじんわりと浸透していくように日常に、人生に、何かしら伝播していくエッセンスを伝えたいというご縁をいただくからだ。
自分の事業を深く届けたい、そんな人のヒントになるかもしれません。
とはいえ、これは、ただストーリーを消費物として捉えて、とりあえずストーリーを作りましょうという話とは全く違う。
なぜなら、とってつけたストーリーの映画なんて、見ている人に伝わるものだから。
ものを作ることのその先まで。
『世界観のあるブランディング』というと、デザインや写真で作れるという認識を持ってご相談いただくこともあるけど、私は、世界観はそう簡単な意識ではできないと思っている。(詳細はこちらの記事から。)
この頃からまた考え方もアップデートされ、世界観というものは、立体的であって、『映画』と定義するとしっくりきた。
映画を作るにあたって、こんなプロセスを踏む。
大きくわけて、『①企画』『②撮影/編集』『③宣伝準備』『④プロモーション』『⑤上映』というフェーズがあると考えるとわかりやすい。
デザインや写真で世界観を伝えられるという認識は、映画でいうとポスター撮影に過ぎないことがこの図で伝わるのでは?と思う。
ポスターを取っただけでは、映画の価値は伝わらず、浸透しない。
映画、という視点だと、伝わると思うけど、『ブランディング』単体で考えると盲点が邪魔をするはずで。
(出演する俳優さんにスキャンダルがあると、この映画自体の印象が変わるのも、すごくブランディングと映画の似ている感じを感じる。)
そして、映画という言葉を使うのは、ストーリーを紡ぐということと切っても切り離せないからだ。
各フェーズで、必ずストーリーが紡がれる瞬間がある。
・脚本やキャスティングが決まった瞬間、SNSではあれこれ言及したくなり、
・プロモーションもバラエティから雑誌まで様々なメディアで行われ、
・舞台挨拶では制作裏側を通して思いを伝える
・試写会で期待値を最高値にまで高められたものを見たあとには感想が生まれる
こうした、立体的にストーリーが展開されている状態ができているのか?大切になってくる。
ブランディングをするぞ、と旗を立てるだけでは意味がない。
旗を立てるだけで終わってしまっていた事例(私の会社員時代の勤め先)を観てると心底思うのです。
心に残る感覚の大切さ。
なぜ、ストーリーを重視すべきなのか。それは、購入する理由に関係がある。
人が物を買う時に重視するものは2種類あると聞いたことがある人も多いと思う。
①スペック・機能・才能 =機能的価値
商品のスペックなど、横並びの世界
次に比較されるのはおのずと価格
②気持ち・ストーリー・物語 =情緒的価値
商品の誕生秘話や込められた思い
同じような機能のものであれど唯一無二
改めて思うのは、『また、買いたい。』という感情を動かすものは、②の情緒的価値が大きいのでは?と最近は感じている。
(私が関わっているような、想いのこもったものを販売するときという認識ですが。)
人に情緒的価値を伝えるためには、プロモーション・上映の役割も大きく関わっていく。
感情的にすごい、嬉しい、楽しい、感動すると行ったコンテンツは日常的にある。
流れてしまうものも、予想以上にあるだろうから、私は、映画(商品)さえ良ければ大丈夫とは全く思っていない。
『感覚』が『購入』が結つくために、映画では様々なプロモーションが打たれているように、自分の生み出したものは伝えるために努力されているのか?ということを振り返りたい。
映画と自分の事業を照らし合わせてみると見えてくること。
自分のブランディングに置き換えて考えてみると、より見える視点が増えてくるからオススメ。
また、この図貼りますね。
□映画を撮るだけで終わりになっていないか、
□ポスター撮って終わりになってないか
□ポスターはかっこいいが、映画の中での普段の演技はどうか
□映画は完璧、プロモーションもきちんと同じものがたりをつづっているか?
□どっちを増やしたいか?
→そもそも足を運びたくなる映画なのか、
→家でNetfrixタイプなのか
□どんな気持ちで見たいのか、
□口コミは起こっているのか
□続編を打ち出すほど盛り上がっているのか?
これは、映画と仮定するなら…という話ですが、俯瞰することで、できていること、できていないことが見えてくるはずです。
『伝える』と『浸透させる』は違う。
改めて。『伝える』ではなくて、『浸透させる』という視点を持つことを認識する必要がある。
『映画作ったよ!』と、表明するだけになっていないだろうか。
オンラインでいつでも過去の映画を観れるようになり、エンタメに触れることができるこのご時世に、何年空いても楽しみで待っていられる状態を作っている映画は浸透が起こっている。
自分の奥底に映画と共存している感覚になっているのが名作だ。
エヴァンゲリオンもファンの方は13年待ったと言われている。
伝えることに妥協をしていては、この状態は絶対に生まれないはずだから。
P.S.
そんな映画のような立体的さを感じるブランドはどんなの?と聞かれそうなのですが。
私もこっそりメモしているブランドさんはたくさんありますが、一番伝わりやすいのは、彼らだな、と思います。
いろいろなSNSなどのリンクはこちらに貼ってます。