分解・清掃・DIY
!まえがき
この記事では、DIY精神に基づいてゲーム周辺機器の分解・洗浄など
を行っています。ただし、分解した時点でメーカー保証が受けられない
ため、この記事と同様の行為によって起こりうる損害等(故障や怪我など)については完全自己責任となりますのでご注意ください。
唐突にこんな注意文を書いて何が始まるのか気になるところですが、
要するに免責事項です。DIYや自作、改造に関する記事では冒頭で目にする文章になりますね。
今回、分解・清掃するゲーム周辺機器
Nintendo Switch Proコントローラー 7,678円 2017年3月3日発売
任天堂の純正周辺機器としては高価なコントローラーです。
SONY PS5 DualSense ワイヤレスコントローラー並の価格です。
しかし、このコントローラー、PCに接続することができるので
Xboxコントローラー(箱コン)と並んで人気があります。
もちろん、Steamでもサポートされています。
高いけど優レモノであることが分かったところで早速分解してみます。
以前、分解したときに手元を撮影した動画があったので掲載します。
分解・清掃に使う工具類
必要な工具は、
【必須】
・No.0プラスドライバー
【あると便利なもの】
・ピンセット(竹ピンセットとかあれば尚良い)
・先端の小さいマイナスドライバー
・容器(小さいネジがいっぱいあるので、受け皿として)
・ハンドブロアー(カメラいじってる場面で使うアレ)
・刷毛(帯電防止のものなら尚良い)
・除菌ウェットティッシュ
・スマホスタンド(コントローラーの撮影位置決めに便利)
あと、
・細かい作業にくじけぬ心、集中力、忍耐力、器用さUPのバフ
ちなみに、清掃だけなら除菌ウェットティッシュでグリップやボタン、スティックから汚れや油分を取るだけで十分です。ただ、スティックやボタンの隙間から飲食物や異物が内部に入り込んでしまった場合は早いうちに取り除く必要があります。なぜなら、飲食物や水分を含むものは内部の基板などを腐食させる恐れがあるので要注意です。飲み食いしながらゲームをしなければ良いのでは。
お行儀が良くないですね・・・。
では早速。
グリップから外していく
任天堂としては珍しく、普通の+ドライバーでゆるめることができます。
おっと、この三角のヘコみにカバーがあったかどうか定かではないです。
普通であれば、分解してほしくない場合は粘着付きの硬質かゴム質カバーが張り付いています。デュアルセンスは見たところ、ネジ穴が見えないよう隠されています。箱コンは普通にネジにアクセスできたと思います。最新機種は分かりません。
でも、ネジ穴をみたら工具をかけたくなるよね。
それでこそリバースエンジニア!!
■22/08/17追記:ネジは丸見えでした。
このスモーク色の部品は4本のネジで止まっているだけですが、外すときは片側ばかり浮かしていくと折れる可能性があるので、均等に持ち上げて外します。
表裏パーツを分離する
このあと表裏のパーツが外れますが、勢いよく外してはなりません。
表裏を接続する短いフラットケーブルがあるので、少しだけ開いて
隙間からケーブルを外します。
ちなみに、分解した後はもちろん元に戻しますから、全てに逆の手順で元に戻す作業があります。難しいと思ったら「今日は休め」と元コマンドーに言われたと思って他のことをしましょう。ゲームとか?
裏パーツのグリップ部に振動モーターが格納されています。この表に両面クッションテープが張り付いていますが、これが分離しにくい原因です。
「原因です」じゃなく、一般で分解するように製造されてないからですが。
余談失敗例:フラットケーブル(コネクタ)を壊した、もとに戻せない場合
勢いよく引き千切ってしまった場合、たぶん、コネクタがもげるでしょう。
このケーブルは、スティック、ボタン入力、たぶんamiibo用のNFCアンテナの信号をやり取りしているので、未接続状態ではこれらの機能が使用不可になります。
裏パーツの基板は外す必要はないので、ホコリが付いているようであれば、吐息ではなくハンドブロワーやエアダスターで軽く飛ばしましょう。
吐息は基板が腐食するので止めましょう。
ファミコンカセットのフーフーほど頑丈ではありません。
裏パーツの基板上、右スティック部品の上に写真のようなメッセージが刻印されています。このメッセージ、分解しなくてもスティックを倒すと外から読み取れます。音を置き去りにしそうな、全てのゲームファンに感謝!
L、R、ZL、ZRボタン用のケーブルを外す
表裏パーツを接続していたケーブルとは違う種類のコネクタですが、黒い部分(タブ)を起こすことでロックが外れます。このケーブルは固めにコネクタに差し込まれているので、やさしく、微妙な力加減で左右にずらしながら引き抜きます。ちなみにこれが千切れると、L、R、ZL、ZRが使えなくなりますよ。
また、このケーブルを外さないとボタンの取り外しが出来ません。
黒い大判の樹脂パーツを先に外そうとするとケーブルが引っかかってダメージが入るパターンです。全体的に黒っぽいパーツが多いので外すのを忘れることがあるので注意です。
この樹脂パーツが外れると後は簡単です。
ネジをいくつか外して基板を外します。
導電性パッドが見えてきました。
旧世代のコントローラーであればすぐに拝める部品ですが、
現行機種ではほぼ終盤にお目見えです。
ボタンパーツとご対面
お菓子の欠片は入っていませんでしたが、人間の角質のようなものが導電性パッド表側にこびりついていました。しかし、これのせいでコントローラーの利きが悪くなるというのはあまりないのです。なぜなら、パッドのフチには土手があるので深部にゴミが入らないような構造になっています。
効きが悪くなるのは、導電性部分(エレキバンみたいな黒い部分)が摩耗していたり、ラバー部分が裂けたりして基板との接触が不十分になった場合です。
ただし、スティックやボタンの隙間からエアダスターやコンプレッサエアーなどの非常に強い空気を送り込むとこの限りではありません。それこそ、土手を越えてゴミが深部に到達します。それが飲食物の欠片だったら?基板が腐食しちゃいますね。
ボタンのパーツは、パズルのように入る部分の形が決まっているので無造作に表パーツをひっくり返して取り出しても問題ありません。細かいパーツなので無くさないように注意を。
パーツの洗浄
・最初に外したグリップ
・表パーツ
・ボタンパーツ
・アナログスティック
・導電性パッド※
・スモーク色の蟹コウラみたいなパーツ
※以外のパーツは水洗いしても良いでしょう。
ただし完全に乾燥させること。
手垢とか油分が酷くついている場合は、ハンドソープで手揉みしてお湯ですすぎます。中性以外の洗剤や熱湯は厳禁です。
クッションテープは水を吸うのであらかじめ外しておきましょう。
蟹パーツのクッションはバッテリーの押さえクッションです。
無いと、最悪の場合、バッテリー端子の接触不良で通信が途切れます。
洗浄・乾燥後は忘れず取り付けましょう。
洗浄したパーツの組付け
綺麗さっぱりになった爽やかなパーツたちを元に戻していきます。
分解の逆の手順で組み付けていくだけですが、
部品が余らないように気をつけましょう。
特にネジですね。
「あれ?2本余った。要らんかったん。」
とならないように。
難所
組付け作業の一番の難所は、写真のフラットケーブルを取り付ける部分だと思います。私は左手で工具を持つので、
「右手で表裏パーツを半開きにして、左手でピンセットを持ち、フラットケーブルを取り付けて、コネクタをロックする」
という流れになります。
右利きの場合、コントローラーを裏返すと同じです。
その場合、表パーツ側のコネクタを扱うので、この方が楽かも知れません。
大完成
写真はあまり分からないですが、手触りが良くなりました。
なんかその、ベタついた感じがなく、きれいになった感じがします。
ここで喜ぶのはまだ早いわけで、動作確認をします。
すべての入力は問題なく反応しました。さすがにamiibo読み込みの確認はしていませんが、たぶん大丈夫でしょう。そんなに使わんし。
なんとか無事に、愛機コントローラーがゴミにならずに済んだわけですが、
DIYでのメーカー非推奨の分解行為は全て自己責任でやりましょう。
万が一、壊れて、新しいのを買い直したお金は勉強料となります。
おまけ
このコントローラーと、
このコントローラーは、Y型のネジが使われています。ゲームキューブコントローラーやDSなど、よく使われている特殊ネジです。いたずら防止ねじ、と呼ばれるネジの一つだと思いますが、簡単に分解してほしくないところに使われます。プロコンは?
■22/08/19追記:
ここまで読んでいただきありがとうございます。
分解マガジンのランク付けのため、追記しました。
この記事の分解ランクは Lv.3 です。
・使用工具 Lv.1
・分解難易度 Lv.3
表と裏のパーツを分解するパートでフラットケーブルがあります。
これを取り外すにはコネクタの構造を知っておく必要があります。
普通の生活では触れることのない部品であるため、分解難易度を
Lv.3としました。