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【読書感想文】『ぼくの色見つけた!』
こんにちは、みどりです。
年末に銀座の教文館さんに立ち寄りました。
教文館さんには絵本ももちろんのこと、
たくさんの児童文学の本が置いてありますね。
静かにゆっくり本を手に取れる素敵な場所です。
さて今回出会った本はこちらです。
内容についても触れているため、まだ読んでない、
読む前に内容を知りたくない方はここで
ストップくださいね。ありがとうございます。
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『ぼくの色、見つけた!』
みんなが見えている色って一緒なのかな?
「ぼくは生まれつきみんなとおなじようには色が見えていないらしい。」
まず色覚障害の人が見る、色の世界という切り口に興味を持ちました。
そして自分は幼いころ絵を描くときに、空は青、葉は緑、りんごは赤…と教えられた「ふつう」みたいなものを刷り込まれ育ってきたなぁ、それぞれの感じる色はみんな違ってあたりまえだよね…ということを見つめ直したくて、手に取りました。
関心を寄せること
人にはみな世界で大切なものがある。自分にとってのそれは?家族や周りの人にとっての大切なものは?色覚障害を隠して生きている主人公が、家族やクラスの先生、友人との交流から自分にとっての色覚障害、そして自分の大切なものと向き合っていく物語です。
…「こまっていることって人によってちがうし、目に見えることとも、見えないこともあるよね。」(本文より引用)…
子どもたちはそれぞれ、人に話すことに抵抗がある悩みごとや日々のストレスを抱えて生きている。しかし先生のちょっとした自己開示をきっかけにすこしずつ心を開いていく…
自己開示するかどうかは個人の自由だというを、きっとふまえた上で、人に伝えてみるという選択肢がある場合の人間関係や環境はどのように作られるのかということをこの物語は読者に考えさせてくれると感じました。
先生の「心配しないでください。そのときそのときで相談して、いい方法を見つけましょう」という言葉から合理的配慮を思い出しました。どんな場面でも相手に関心を寄せることの大切さを感じました。
自分だけの色
物語中盤から展開される主人公とゴッホの「星月夜」との出会い、ゴッホにはゴッホにしか見えなかった色があるのではないかという話。人と同じには見ることができないさみしさと向き合いながらも、それこそが自分だけの色なのかもしれないという気づきから結末に向かいます。主人公と家族、とりわけ母との関係は…母子両方に感情移入してしまいます。
ここまでお読みくださり、
ありがとうございました。