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街の風景
街の風景 ここには常夜灯がある
1812年、日本橋から成田山への参拝道中にあたるこの場所に、寄付によって常夜灯が建立されたといいます。かつては多くの物資がこの地を経由して江戸へ運ばれ、街は賑わっていました。近くには「笹屋」といううどん屋が繁盛していましたが、鉄道が開通すると、このあたりの活気は失われ、寂しい雰囲気になりました。しかし、立派な寺が数多く残っており、当時の檀家が豊かであったことがうかがえます。
現在、この場所は散歩コースとして親しまれています。いつもは、ジョギングを楽しむ中高年、犬の散歩をする家族、若いカップル、釣り人の姿が見られ、対岸には野球場があり、少年たちの応援の声がかすかに聞こえてきます。
この連休は天気こそ良かったものの、風が冷たく、底冷えする寒さに震えるほどでした。白い子犬と、ピンクのフリースを着たチワワが目を引きました。チワワの服は、まるで阿波踊りの編笠のようなデザインで、その姿がナメクジのようにも見えて可笑しかったです。リードの先をたどると、グレーのニットだけを着た中年の男性がいました。自分の防寒よりも犬のことを優先しているように思え、優しい人なのだろうと感じました。
また、黒いコートを着た高齢の男性が連れていた、毛むくじゃらの犬も印象的でした。その犬の後ろ足は曲がっており、おそらく飼い主よりも年老いているのでしょう。不自由な足で懸命に歩きながら、何度も立ち止まる飼い主を見上げるその目には、信頼と愛がにじんでいました。
子どもと同じくらい大きなゴールデン・レトリバーは、2頭の柴犬に興味を示し、仲良くなろうと近寄っていきました。しかし、柴犬は恐怖のあまり後ろ足を曲げ、戦闘態勢を取っていました。
いつもいる、釣り人はこの日はひとりもいませんでした、寒いと魚も釣れないのでしょうか?
犬の散歩につきあう人くらいしかいないので、多くの人は暖房の効いた部屋か、ショッピングセンターの中でぬくぬくしているのでしょうから、魚もじっとしているのかもしれません。