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ギャグ小説日和『転校生』の感想。(ネタバレあり)
「ギャグマンガ日和」の増田こうすけ氏による初の小説集。
と言うワードがシンプルに気になったのと、ギャグマンガ日和は大好きでアニメも当時ハマっていたので購入し読んでみました。
結論から言うと「適量の笑いで物語の深みを中和しつつ、大切なことに気づき考えさせられる作品集」でした。
全8つの物語で構成されていて「僕の夏休みの冒険」「転校生」という作品以外は、ジャンプSQの綴込み付録の冊子の中に収録されたものになっているそうです。
まず、第一印象に装丁がとてもおしゃれでカバーを外しても素敵なイラストと中に栞も入っていてしっかりした作りにワクワクしました!
夏休みの終盤に「僕の夏休みの冒険」という物語から私は読み始めました。
あれ?いきなりドラ○もんかな?笑
シリアスな展開に不意に入ってくるギャグで笑いがおき、再びシリアスな展開に戻す。
笑いの緩急を文字で上手に表現されていて活字でもやっぱりおもしろい!
ギャグマンガ日和のイメージがあるからこそ、あの単調で独特の雰囲気を醸し出してくるキャラたちが脳内で創られ物語に寄り添ってくるのも、小説の読みやすさのポイントでした。
次にタイトルでありメインの「転校生」
転校生の名前は「浦賀拓実」
この浦賀少年は作中にしつこいほどフルネームで登場してきた。笑
私が実際に数えてみたところ
198回!約200回近くもフルネーム表記!!
されていて、この小説のタイトルも読み終える頃にはタイトルが「浦賀拓実」に見えるほど笑
キャラの印象もしつこいほど覚えやすいのがうまいこと繋がっていてシンプルでベターな感じが逆に斬新で面白すぎた。
他の作品も同様の面白さがありつつ
少し気になったのが文字量の多さでした。
私はコロナ禍を機に読書を始めたのでようやく年に10冊ほど読めるくらい遅延読書好きマンなのですが、あまり本を読まない人にとっては苦に感じるところも正直あるかなと感じました。
しかし、筆者の増田先生がマンガと小説の違いの中で「字の量を気にしなくていいというのは書くたびに新鮮な喜びがある」とあとがきに記載していたので
きっとこの小説を読む人は増田先生の作品を好きな方が多いと思うので、作者意見ならと妥協できる部分はあると思うし、それだけ見応えと価値、小説を年に2、3冊程度しか読まないプロのギャグ漫画家の世界観がより堪能できてきっとおもしろいはずです!(tabunn
私は「お義父さん」「ジャックの豆」という物語に大爆笑しました。
物の捉え方が本当に面白く、凄みもある感じがまた不思議で活字でもあの独特な世界を想像できるのがすごいなと感じました。
マンガでもアニメでも、そして小説でもとにかく笑って楽しめる作品を創ってくださった増田先生に感謝の気持ちが溢れる夏の終わりでした。