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#112 [読書レビュー]アルケミスト(パウロ・コエーリョ)(角川文庫)


「自己啓発系フィクション」というジャンルがあるのでしょうか、ないのでしょうか。わからないですけど、あるとすればこの本は筆頭なんじゃないかなと思います。あとは「嫌われる勇気」とか「夢をかなえるゾウ」とかですかね。

羊飼いの少年サンチャゴが、「エジプトのピラミッドに行けば「宝物」を見つけられる」という夢を信じて旅に出て、いろんな出会いがあり、恋に落ち、様々な困難を乗り越え、宝物を手に入れる。その宝物とは?

といったあらすじです。

夢とは?愛とは?運命とは?人生の意味とは?こういった普遍的なテーマを描いたフィクションは読み手に想像の余地を与えてくれます。
著者のパウロ・コエーリョも旅を続ける人生を送っているからこそ、こんな小説が書けるのかもしれないと思いました。自身の人生をなぞるようなフィクション。サンテグジュペリの星の王子様に通ずるものがあるなと思います。

何かを強く望むなら、宇宙のすべてが協力して、それを実現するのを助けてくれる。

アルケミスト(パウロ・コエーリョ)

自分の夢に向かって本気で努力するなら、偶然のように見える幸運や出会いが起こり、道が開けていくものだと思います。

最大の嘘とは、運命はすでに決まっていて、自分にはそれを変える力がないということだ。

アルケミスト(パウロ・コエーリョ)

人は自分の未来を変えられないと信じ込むことで、自分自身を縛ってしまうという警告であると思いました。多くの人が「どうせ無理」「才能がない」と思い込み、本当にやりたいことを諦めてしまいます。しかし、実際には、変えようとする意思と行動があれば、運命は自分次第で変えられる、というメッセージとして捉えました。

傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだ

アルケミスト(パウロ・コエーリョ)

傷つくのを恐れて何もしないを選ぶか、挑戦を選ぶか。成功哲学が詰まったフレーズ。

恋をしていると、ものごとはもっと意味を持ってくるものだ、と彼は思った。

アルケミスト(パウロ・コエーリョ)

いつまでも恋をしていたいですね。

この物語にはところどころに「前兆」という言葉がでてきます。翻訳ものなのでこのようなフレーズになってしまい、ニュアンスが伝わりにくいのですが、それがかえって読み手の解釈の余白を広げてくれています。私は「前兆」とは「内なる心の声」という解釈をしました。

私にはたった一人の6歳の息子がいますが、息子には、子供の時の純粋な夢、望みを大切にして、人生を切り拓いていってほしいと思います。

「息子よ。前兆に従って進め!」

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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